発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4554.トレーナー自身の訓練法について教えてください。(6)~(9)

A.身体の感覚やポジションなど、毎日微妙な変化はあるにしても、その変化の振れ幅を最小限にすることが必要と考えています。ですので体調が優れないときを除き、基本的にいつも同じくらいの音域(低音~高音)でしっかり声を出すようにしています。
また、今日の調子がどうなのか、小さな変化でも感じられるよう、いくつかのやりやすい(調子が早くつかみやすい)音型を決め、ほぼ毎回同じ音型で発声しています。
そして、しっかり訓練(練習)するためにも常に気をつけることとして、一日にたくさん声を使い過ぎないこと、可能な限り週1回は声を休ませることを意識しています。 (♯α)

A.喉に意識を向け、喉を使わないで、広げた感覚で基本的なスケールを「オ」で始める。出てくる音よりも身体の使い方を重視で最初は音程も気にしないで、発声で身体を緩めていく。その身体の状態で、簡単なイタリア古典歌曲などを母音だけで歌ったり、歌詞つきで練習する。 (♯Γ)

A.発声のための訓練はいつでもどこでも出来るもなので、体力や気持ちに余裕があるときはいつでもやるようにしています。まずは姿勢です。真っ直ぐ立つ、そして歩く、立ち止まる。。。自分が舞台役者にでもなったかのような、あるいはバレイダンサーになったような気持ちで歩いたり走ったりします。イメージを膨らませるだけでも身体は自然に反応します。姿勢が良くなると呼吸をする時の筋肉の動きも変わってきます。良い姿勢を保ったまま深呼吸してみます。そうすると、発声の為のベストな呼吸ができています。実際に声は出さずとも楽器である身体のメンテナンスは行うようにしています。 (♭Ш)

A.舌根から胸元までの縦ラインの筋肉を緩めることに99パーセントの労力を費やします。とくにロングトーンやレガートを意識して、緩んだ気道のまま声を伸びやかに出せているのか。
訓練法は、例えば「酔っ払いが電車で上を向いてうたた寝するときの口の開いた筋肉の弛緩状態」を再現して母音、子音、音階を交えて声を出し、どの瞬間に気道に差し障りを起こす力みが生まれるかをチェックします。上半身・喉元さえ完全にリラックスしていれば、自ずと腹背筋の支えは決まってくるし、自然と軟口蓋も上がり共鳴すると思ってます。(もちろん、腹式や共鳴訓練も必要ですが。)
リラックスしやすい体勢で気道の弛緩感覚を身体に覚えさせて、次第に通常の姿勢で同じような状態で声が出るように導いていきます。この時、口の開閉の際の顎の稼動域に注意をはらいます。舌根の力みが気道の妨げになることが多いので、顎に手を当てて顎の稼動域と舌根あたりの気道をチェックします。
また、音程の変わり方や歌詞の子音母音の変化の仕方よって喉を絞めがちになります。自分はpの子音で声を出すと音域も広がり、音程の跳躍が激しくても綺麗に響くので、pだけで全てを歌うことがあります。(♭Д)