A.曲を歌うときには、すぐに声を出さずに、まずは分からない単語の意味や歌詞全体の内容を勉強し、曲の全体像を自分なりに把握します。外国語の場合には日本語と違って子音(特に二重子音)が多いので、音程をつけずにリズム読みで歌詞を発音練習します。
その理由は、複雑な曲になると、音程をとりながら発音も歌い直しているととても喉に負担をかけてしまうのと、発音のために何度も歌いなおす(声帯を消耗する)時間がもったいないからです。
また、歌詞(または詩)の内容を理解しながら発音練習をすると、その後に音をつけて歌う際にも、すでにその曲に対しての音楽的要素(感情表現など)を持ち合わせているので、その曲を自分のものにしやすいのです。
言葉の意味やオペラならその「場面」を理解しながら歌うと、自ずと旋律がその場面その心境を表現しているということにも気づけます。その曲の歌詞や、歌詞の背景を吟味する作業が結果として、同じ曲を同じ力量の歌手が歌っても違う曲に感じられる由縁だと思います。(♯α)
A.様々な映像資料や、録音資料、生の演奏にふれることも大切なのですが、私自身も信頼のできるトレーナーの元へ通っています。自分では客観的に判断できなかった箇所などを調整したり、異なる視点を得るためです。
また、時々友人などにも歌を聞いてもらっています。やはり自分以外の人からの客観的な意見を聞くためです。
一人で練習しているとうっかりすると、自分自身の価値観に頼りすぎてしまうので、できるだけ柔軟な状態を保つのが良いのではないかと思います。(♯Ж)
A.曲を歌うときは、その曲が何を意味しているのか?何を伝えたいのか?を考えます。詩の意味を解釈すると言うことです。その次にメロディーが与える印象を考えます。詩と合わせてみて強く歌うか小さく歌うか、表現を決めていきます。実際に歌ってみて、ブレスの位置やフレーズの取りかたを決めていきます。前奏や間奏、後奏があるときは、それがどういうイメージのものなのかも考えるようにします。音の一つ一つに意味があると考えると表現の幅はどんどん広がっていきます。物まねでなく自分の表現が見つけ出せるように努力しています。(♭Ш)
A.普段から他人の声に敏感になることですね。それは周囲の人間でも、テレビ、歌手などなど。よく聞いて、真似をしたりします。
先日こんなことがありました。普段低い声で(あまり美しくはない)喋る女の子が、ファルッセットかと思われる綺麗な声で喋ってたので「どうしたの?」とその子に聞きました。その子は「風邪で声が出ないから変なとこで声出してるだけなのよ」と言ってました。・・・僕は目から鱗でした。結果的に彼女は、美しいいい発声で喋っていたのです。つまり、普段使っている声帯は鳴らないから、音程を上げて声帯をいわゆる薄く使って大いに共鳴させていたのです。・・・棚から牡丹餅というやつです。
ここには、トレーナーとして人に指導をするに当たり大きなヒントが隠されています。
このように普段から人の声に敏感に生活してると勉強になることが多いです。
あとは、月並みですが発声の本を読むこと。特に、生徒から受けた質問や改善方法が解らない時は、本を読んで調べます。ネットに頼ることもあります。
でも一番効果があるのは、声の専門家の話を聞くことが役に立ちます。特に声楽家ですね。やはり専門的に勉強して体感したしたことを本人が説明してくれるので説得力があるし、自分が理解できるまで対話ができます。(♭Д)