発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4860.「歌詞や台詞を自分の言葉で語りなさい」とは、どういうことですか。

A.そういうアドバイスを受けることは多いと思います。今回のお話は、語感を声に載せる上での発音発声テクニックの話ではなく、「実感して喋る」というお話です。
僕は短い文章の脈絡のない羅列を「実感して」読んでもらうお稽古をします。大概の生徒さんは、つらつらとテンポよく読みます。しかし、ちゃんと実感がこもってないことがほとんどです。人の書いた文章を初見で「実感して」読むのに、そんなにつらつら読めるはずがないのです。
日常会話では常に、自分が体験し実感して何らかの具体的根拠があって言葉を発します。通常、ブレスを吸ったときには次の喋る文章の意図は腑に落ちているはずです。よって、歌詞や台詞を読むときにも、日常の『心理→言葉』のメカニズムと同じ経路をたどる必要があると思います。もちろん、人の書いた文章や歌詞を読む場合、想像力を駆使し実感できるところまで落とし込まなくてはならないのですが。
実際にレッスンをしてナビゲートされないと中々分かりずらいかも知れませんが、そうやって日常の「喋る」感覚と歌詞や台詞、文章を読む感覚をすり合わせると何か翻りがあるかもしれません。 (♭Д)