発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4924. 嗄声について(6)~(10)

1.嗄れたことがありますか。その原因と対処法について教えてください
2.嗄れない声にするためのメニュはありますか
3.嗄れる声にならないための日常の管理を教えてください

A1.声帯は疲れるものだということを知らなかった頃、長時間にわたって歌っていたら声が嗄れてしまったことがありました。2時間近く歌い続けると声がかすれてくるのですが、しばらくするとかすれがなくなり、またもとの声に戻るように感じられたので、休みながら歌えばいいのだと勝手に思い込んだのです。かなり以前のことで記憶も曖昧ですが、たぶんその後も「休みながら歌い続ける」を5,6時間というメニューを何度か行ったと思います。するとあるときあからさまに声の感じや歌ったときの感覚がおかしいことに気づき、すぐに耳鼻咽喉科にいったのですがすでに声帯に結節ができてしまっていました。
声が嗄れたのにしばらくして一時的に声が出るようになったとしても、それは声がもとに戻ったのとは違うのです。声帯は確実に疲労しているので、その後も歌い続けてしまったら疲労疲労を重ねるだけです。歌い続けて声が嗄れる(またはかすれる、出なくなるも同じく)のはもう声帯が疲れているとうサインなのです。必要に迫られない限り、その日はもう潔く歌うのを止め喉を休めるべきです。

A2.喉だけで声を出していると、声帯への負担が大きく短時間で声に疲労感が出てくるか、人によっては声がかすれてきます。その後も歌い続けると声は嗄れるでしょう。もちろん無理をしたり自己管理を怠れば誰でも声は嗄れてしまいますが、「嗄れにくい声」にするにはしっかりと身体を使って声を出していくことです。声は息の流れに乗って前に出ていきます。身体が使えてくると「息の流れ」が出てくるので、喉への負担なく声を発していけます。メニュとしては、複雑ではない音型を使い、「その音型に合わせて息を吐く(音型が4拍ならば4拍分の長さで吐く)→ブレス→声を出して歌う」のパターンで音階練習をします。毎回声を出す直前に「息を吐く」ことで身体に意識を向けていくのです。しっかり行うと個人差はあっても必ず効果はあります。

A3.もともと睡眠不足のときは声帯が疲労しやすいものですが、特に長時間の練習またはお仕事などで声を酷使された日は、しっかり睡眠をとり声帯を休ませることが必要不可欠です。また声を酷使した後で、かりに喉に疲労を感じていなかったとしても、極力その日は声を出すのを控えるのがよいです(長電話やお酒の席での大声の会話など)。また口呼吸の方は、寝ている間に乾燥で喉が荒れてしまうことがあり多少なりとも発声に負担をかけます。その負担が嗄れる声につながらなうよう、マスクをして寝るか、部屋を加湿するなどの対策をしましょう。(♯α)

A1.あります。原因は様々ありますが、風邪にかかっているときに声を出し続けた時や、季節のアレルギー症状がある時に声を出し続けた時、仕事で声を酷使しているのに居酒屋やカラオケ等の大きな音が鳴っている場所で人と長時間話した後、等に起きました。一番苦労したのは、6月にジメジメしたホテルに滞在しながら舞台の公演を続けていた時に、寝ている最中になんらかのカビを吸い込んだのかどうかわかりませんが、全く原因不明に声が出なくなった時です。もちろんその時には病院にいく時間すらなかったので、本当にところどうだったのかわかりませんが、喉周辺に痛み等も全くないのに、声だけが出なくなりました。声が出なくなる原因は急性声帯炎など様々だと思いますが、一概に理由がわからない場合が多いと思います。よくある単純なケースとして、風邪で喉周辺が炎症している時に酷使して、気管から炎症が声帯にまで広がった場合かと思います。対処方法としては、冷やさない、マスクをする、乾燥させない、吸入器、等あるかと思いますが、あまり神経質に防護したところで、虚弱になるだけのような気かしますので、うがい程度でいいかと思います。あとは単純に声を出さない、音楽等を聴かないで安静にするしかないと思います。もちろん吸入器は持っていた方がいいとは思います。

A2.嗄れないように防御していくよりも、発声を変えていくために基本的なトレーニングをしていくしかないと思います。防御していくよりも、もし嗄れてしまってもなるべく早期に回復できるような基礎体力のある強い身体、強い発声器官を作っていくことです。さらに「嗄れてしまったことへの気分的な落ち込み」などを不必要に感じない精神状態を作っていくことが大切だと思います。逆に言えば、現段階での基本的なトレーニングの全てが、嗄れないことへつながっているとも言えます。もちろんトレーニングの本来の目的は「嗄れないこと」ではないと思います。(嗄れないために、は付随事項だと思います。)

A3.睡眠時間を8時間以上とる、喉を冷やさない(常に首に何かスカーフやマフラーを巻いている)、マスクをする、乾燥させない、冷たい飲み物を避ける、喫煙・飲酒はもちろん避ける、辛いものや刺激物は食べない、大きな音が鳴っている場所へ行かない、大きな声を出さない、究極「なるべくしゃべらない」、等あるかと思います。これは、個人的にコントロールしにくい・日常・連日・声を酷使して使って仕事をしている人が、気を付けている一側面かと思います。トレーニングをしている段階で、こういったことにばかり気をとられていると、単に虚弱になっていく、いつまでも変わらないことにもなりかねません。のどの調子がよくないなら休む方がよいのですが、それでは休んでばかりいることになりかねないでしょう。
(♯Γ)

A1.声が嗄れたことはあります。風邪をひいて喉がはれていたのに無理をして声を出し続けた結果、声帯にまで炎症が広がってしまい声がかすれてしまいました。
対処法については、まず声を出すのを控えるしかありません。精神的にも声を出せないと不安になるかもしれませんが、ぐっとこらえて炎症が治まるのを待ちましょう。病院へ行って炎症を抑える薬などをもらったりすることもできますが、体質に合わない方もいますから、よくお医者さんと相談してください。
また、できるだけ粘膜の乾燥を避ける為、加湿器を利用したり、出かける時にはマスクを着用するとやや早く回復するように感じます。

A2.普段から無理のない声の出し方を心がけたほうが、喉への負担や傷めてしまうことを回避できます。
レーニングとしては、声をすぐに出すのではなく、リップロールや巻き舌の音階練習、呼吸法の確認などから始め、喉の筋肉を柔らかくしてから声を出すことがお勧めです。
また、うっかりしがちなのですが、普段の話し方などにも少し気をつけてみると良いかもしれません。自分にとっては当たり前になっているので、意外とわかりにくいのですが少し、ヴォイストレーニングで学んだ要素を足してしゃべる練習をすると普段から喉を鍛えられますよ。

A3.外出する時はマスクをする、眠る時には加湿器をつけるなど、普段から喉のケアを心がけるなどのやり方もありますが、あまり気にしすぎず普段通りを心がけることも大切だと思います。
疲れを感じたらしっかり休み、食事なども適量を食べ、ストレスのないような毎日をできるだけ送る。健康な体があってこそ、声をしっかり出せますから。
日々の練習に関しても、声を出すだけの練習ではなく、呼吸や体の使い方のチェック、歌詞の解釈、コードの理解など喉を使わずにできることがたくさんあります。自分の体調に合わせて、声を出す練習を一日中やったら、次の日は声を出さない練習、勉強をするなど自分にとって最適なペースでやって見ることをお勧めします。
(♯Ж)

A1.自分の苦手な音域を無理に出し続けたり、激しい動きをしながら声を出し続けたり、お芝居としての絶叫・ガヤなどのシーンを演じた場合に嗄れます。僕の場合は最後の理由が多いです。
対処法は、少しでも発声を気をつけることと、何回もそのシーンをやらないこと、そして一番大事なのは調子が悪いときにはすぐ病院に行って治療して薬をもらうこと。そしてオフステージでの飲酒・会話を控えることなどですね。

A2.腹背筋をしっかり使って、声帯に負担をかけず共鳴に意識をもって発声させます。要は、普段の発声練習をより声帯に優しい意識をもって取り組みます。
あとは、声帯には程よい充血があるといいというので、ハミングや唇振動発声や軽い会話をしてウォームアップします。

A3.声を張って出す必要のある時に、腹背筋呼吸と共鳴に意識をもって発声してます。
でも、ちょっとでも声の不調を感じた時は基本的に大きな声を出さないように気をつけます。お酒を飲んで大きな声で会話するのは結構よくないです。喉が乾燥してるところについ大きな声を出し続けてしまうので。
あとは、喉の炎症を避けるために風邪をひかないようにうがい、手洗いには気をつけます。そして乾燥を避けるために湿度調整を気にします。(♭Д)

A1.私は風邪以外では、声が嗄れたことがほとんどありません。
嗄れる人の原因としては、声を押して発声していることにあると思います。いわゆる喉声です。声帯は薄い粘膜が振動して声になります。この薄い粘膜を無理にギュッと力で押し付けて発声すると、声帯に負担がかかり、ダメージを受けます。左右の声帯がピタッと隙間なく合わさらなくてはいけないのに、腫れて合わなくなり、その開いた隙間から息がシャーシャーと抜けてしまいます。これが嗄れた声になる原因です。
対処法としては、このような力で発声することを避けることです。呼吸を腹筋で支え、声帯の周りの筋肉や、背筋などとにかく喉を絞めないで発声するために体中の筋肉を駆使します。声帯を息が通過し、それによって左右の声帯が合わさる、そして声になる、このことを忘れないようにしましょう。嗄れた声で発声し続けると、それは声帯結節やポリープなど病気の原因にもなり得ます。デリケートな楽器ですから、充分取り扱いには注意したいものです。

A2.リップロール、巻き舌などで顔や口、舌の緊張をとり、その後に声帯を軽くあわせてため息の要領でハミングをします。
軽くと言っても、息漏れはいけません。声帯がしっかり合わさっていることを確認して、余分な喉の力をとり息を流します。声帯は薄い粘膜でできていますから、無理が生じれば必ず壊れます。デリケートな楽器ですから、丁寧にケアしていきましょう。

A3.むやみやたらと大声を出さないこと、タバコやお酒を飲んでの大声でのおしゃべりやカラオケは特に危険です。
騒々しいところにずっといることも、無意識で大声を出すことになりますから注意したいものです。それから、部屋の喚起をすることと乾燥を防ぐこと、加湿を心がけましょう。睡眠時のマスクも必須です。(♯Å)