A.映画「マイ・フェア・レディ」は、19世紀末、コクニーと呼ばれる下流階級出身のイライザ(オードリー・ヘップバーン)が、下品なことばを直して、レディになるというシンデレラ物語です。およそ3ヶ月で、下町の姿勢、顔の表情、外観に加え、声や発音、なまりを直すのです。音声(言語)学者、ヒギンス教授の発声トレーニングでレディになっていくプロセスは、まさに社会的地位向上のためには、話し方、正しい発音発声でなくてはならないことを表わしています。
たとえば、 rain ai → ei ライン(誤) → レイン(正)
he (H)→ H イー(誤) → ヒー(正)
こうして一つずつ直していくのです。(ここで有名な「スペインの雨は主に平野に降る」が使われました)
ヒギンズ教授は、「人が話す声や言葉には、その人が所属する社会的地位がはっきりと表れる」と主張するわけです。
オードリーのは、1オクターブほどの中で 「ムーン・リバー」を悩ましげに歌っています。ちなみに、その作曲家:ヘンリー・マンシーニの作品です。彼には 「ピンクパンサー」「ひまわり」「酒とバラの日々」などの傑作があります。(♭ф)