Q.マイクを使うと精神性は伝わらないと言われましたが。本当ですか。
A.そんなことはありません。マイクは伝達の補助としてのツールです。使いようによって、よりよくも、より悪くもなります。どこかについては強化され、どこかについては失われるというふうに考えておくとよいでしょう。
Q.マイクを使うとよく伝わるようになりますか。
A.人の声のすべてはマイクでは捉えられないし、スピーカーですべての声を、そのまま再生できるわけではありません。しかし、マイクによって質をよくしたり、音量を増すことができます。耳だけでなく体にも心地よく伝えることができます。振動を強く感じさせることもできます。その結果は、デジタルの音と同じく、聞く人の慣れや育ち(生まれた年代や場など)にも関係してきます。むしろ、リヴァーヴの効果を使いすぎないことでしょう。(エコーをかけすぎると声の輪郭が聞きとりにくくなります)
Q.共感されるステージを目指したいのですが、アドバイスを。 A.何をもって共感というのかを突き詰めていくことでしょう。あまり役立たないようでも、トレーニングをやっていくと、こういう質問を振り切れるときがきます。表現というのは自立した個人のなす技でもあります。共感は、共感できないものになるまでは惹きこまれていく何かにすぎません。結果の余韻のありようのようなものですから、あまり狙うことはよくないと思うのです。