Q.ほとんど説明しないトレーナーは、よくないでしょうか。
A.ピアノ一つでも、メニュだけでなく、テンポ、声域、声量、イメージなど、変化を促すことができます。ヴォイトレに必ずしもことばはいりません。外国人もいらっしゃいます。
Q.共鳴や発声をポジションとして覚えるのは正しいですか。
A.イメージの伝え方としての仮想モデルとして、マスケラとかポジションとか、体や頭部のある点や線を与えるような教え方はあります。それが正しいかどうかでなく、目的に対して効果的に使われたかでみることです。
Q.呼吸法の必要性を否定するトレーナーについています。☆
A.呼吸はしぜんなもので、わざわざトレーニングするのに取り入れる必要はないという考え方はあります。トレーニングをしたために発声や体のしぜんな使い方に支障が出ることもあるからです。私はもとより、トレーニングは必要悪、それを敢えて行うのは、その次の目的があるからだと思っています。つまり、呼吸法と歌や発声を同時に判断するなら、おかしくなるのは当然だからです。
Q.トレーナーがピアノでメニュを急に変えるのに驚きます。
A.音の世界は、動いています。トレーナーは、あなたの反応で声の応用能力、修正能力をみて、対処しているのだと思います。
Q.医者の診断のように、ヴォイストレーナーも一回で正しく診られないですか。
A.医者の初診での正しい見立ては、驚くことに11パーセントくらいと言われています。最初はどうであれ、2回、3回と重ねることで正しい方向へ確率を上げているわけです。トレーナーも、声を聞いて知ったあとに、そこからよくする方法にきちんともっていけるまで修正していくことです。一回で、すべてのようにするなら、経験としてのワークショップのようなものになりかねません。
Q.正しいトレーニングのできるトレーナーは、どのくらいいるのでしょうか。
A.正しいの程度によりますが、声の世界は曖昧、かつ複雑です。たった一人のトレーナーで、すべてのことに対応できるとは限りません。レベルの高さを求めるなら、専任のチームであたるのがよいのではないでしょうか。
Q.一度のヴォイトレで、ビジネスに活かせるすべてを学べないのですか。
A.程度や目的によります。他人に変わったと思われることを一つの基準とすれば、一度のレッスンですべてを学ぼうとすると大雑把になりすぎると思います。ワンポイントアドバイスになりかねません。ただ、ワークショップくらいの見返りでよければ可能だと思います。
Q.一流のアーティストやトレーナーからは、すべてを学べないのですか。 A.すべてを学べるものではありません。すべてがあなたに必要でも、また、すべてがまねするに値するものでもありません。たった一つでも、あなたのものにできたら充分でしょう。逆にいうならば、たった一人のもつもの、たった一曲のもつものを、一生かかって学べない。しかし。その何分か一かだけでも充分すぎるともいえます。(♯)