Q.海外の指導者が来日したり、海外へ行って彼らに指導を受けても、日本人があまりよくならないのはなぜですか。☆
A.それは、声楽だけでなく、ミュージカル、ポピュラー全般に通じます。まず、受ける方に資質と基礎の声力がなくては、トレーナーもどうしようもないでしょう。日本のプロは、歌手としての資質はあっても、声としてはかなりレベルが低いのです。一方、海外のトレーナーは、偉い人ほどハイレベルの声をもつ声楽家や実力のあるヴォーカルの指導教授しかしたことがないのです。
Q.声楽家からは、いろんなトレーニングをしたあとも、「呼吸ができていない」と言われ、どうしようもなくなるのですが。☆☆ A.私やここのトレーナーも、よくそのように言うので、すみません。「できていない」とは言いませんが、「もっと呼吸を深くしましょう」と言うような方向でアドバイスします。 一声が出せる人は、そこから先へ、出せない人は出せるように。いくら呼吸をやっても、発声できなくては何ともなりません。ですから、私が呼吸と言うのは、発声と同じことです。「体から吐けていない」と言うのは、「体から声が出ていない」ということです。声は呼吸でコントロールするので、呼吸は大きな問題になります。呼吸法とか呼吸の練習では、ふしぜんに力が入ります。それが抜けるようになるところまでやってくださいということです。
Q.自分の感覚は、トレーナーよりも不完全で、無視しなくてはならないものですか。☆☆ A.声楽や邦楽の先生は、「あなたは判断できないから、私の判断を受け入れて、そのまま覚えなさい」と言うのが普通です。すると、どこに自分があるのかと思う人もいるでしょう。それを受け入れられる人だけが先生について任せるのです。その基準を覚えるところからスタートします。 ポップスや役者では、演出やプロデューサーに関しては、丸投げすることはあっても、 声に関しては自由です。どちらがよいのか、より可能性があるのかは、人にもよるでしょう。(♯)