発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.自分用にアレンジするには。

Q.自分用にアレンジするには。
A.1.原曲通りにコピーする
2.原曲での難しいところを捨てる (高いところなら、1オクターブ下げるか編曲する)
3.メロディのアレンジをする
4.歌詞を一部修正する
5.メロディ、歌詞ともアレンジする
歌のことば(歌詞)とメロディ(リズム、テンポ含む)を再構成します。このとき、伴奏(アレンジ)も参考になります。
歌手で作曲アレンジから学ぶ人も多いのですが、作詞もしてみてください。作曲やアレンジは専門家に任せてもよいでしょう。歌いながら編曲して、よりよくなれば変えればよいのです。バンドも自分で楽器をつくるとこからやるならともかく、元に戻して再構成するのです。声にしても、表現(働きかけの効果)、ひびき、抜くなど、自分の声質(特性)と、自分の声のスキル(使い方)、この関係を知りつくしていくことです。

Q.フレーズコピーの補強のための基本メニュとは。
A.トレーニングは強化、歌唱はバランス調整がメインです。
1.アエイオウ
2.低声 ガゲギ
3.高声 マナラ
スキルがしぜんになるには感覚と体が変わるまで待つしかありません。技術でパッとできたら身につくとしたら、それは基礎の基礎の上にバランスが整ったからです。その日にできるのは、力や形でやれただけで、もしパッとできたら喜べばよいのです。次にできなくなってもそのギャップを埋める基礎の基礎をつくるきっかけとなります。
上達とはらせん階段のようなものです。飛び上がっても下に支えがなければ落ちます。そこで斜め右上に飛ぶのがレッスン、左に戻していくのがトレーニングです。しかし、どこまで右にいってから戻すのかは、それぞれです。どのくらいの太さ深さ、高さ、大きさ、長さ、さまざまな要因の中で、どう優先順位とバランスをとるのか、とてもわかりにくい。だから、体からやるのです。

Q.究極のメニュ「天地の声」とは、何ですか。
A.私は研修で、私の命名した「地の声、天の声」という練習をやっていました。
まず、大ホールの床に仰向けに寝ます。そこから、少しずつ息を吐いて、息を深く、そして長くしていきます。大きな長いため息です。「(ハ)アー」できたら、低く太い声にしていきます。「あー」50名もいると、ホール中に地響きが生じてきます。背中や尾てい骨、頭の後ろに、全員の低重音が響いてきます。(この体壁振動は、通俗奏音のようです。)
そこに律動が生じてくると、おのずとそれに合わせて動きたくなってきます。リズムが体に生命を生じさせるのです。そこで少しずつ体を起こしていきます。しばらくは、手はだらっと力を抜いていますから、何となくゾンビのような状態です。
少しずつ、声を長く出していきます(もし、あなたがトレーナーとして行なうなら、グランドピアノの低音部分を腱鞘炎になるくらいに激しく鳴らし、少しずつ、中高音に導くとよいでしょう。電子ピアノの中には、『コーラス』という音色があって、声色らしき音を添えられます)。そこからしぜんと声も高くなり、両手も少しずつ持ち上がってきます。大きな中高音、そして最後は、両手を挙げて小さくとも通るハイトーンで終わります。そのプロセスでは何回か低重音で、再び床に仰向けになることもあります。こういう周りの共鳴の中で、自らの声を乗せる経験は貴重です。すでに空気が動いているから、声が出しやすいからです。ゴスペルや合唱、あるいはピアノをつけたレッスンと、同じ効果です。高く、響く声やファルセットなどというのも、こういうところからきっかけをつかむと、しぜんと理想的かつ、実践的となります。

Q.「天の声 地の声」の目的は何ですか。
A.私としては、声の共鳴のコントロールを無意識に習得すること狙いでした。自分の声の振動の延長上で、声量や声域の課題がクリアできていくのなら、もっともすぐれた誘導法となるからです。
ピアノの伴奏を付けたり、手本を真似させて発声を教える先生も、この作用を使っているのです。そこでうまくいかないときは、このように感覚も体も、もう一つ深いところから取り出すのです。大きくスピーカーで芝居や歌の声の手本(できたらスキャットやコーラス)をかけて、そこに乗せて発声するのは、共鳴感覚に目覚めさせるトレーニングです。(画像は消す方が効果的です)
声の投げかけ、声の受け取りや声のキャッチボールといった、役者のワークショップでもよくやる実習を、二者間を超えて、私は行なってきたわけです。
たとえば、そのあとに一人ずつ自分の好きな曲のワンフレーズを歌って、他の人は、その真似をして返す。このときは、皆で合わせず、各人ばらばらでやってよいのです。歌う人自身がワンフレーズ歌ったあと、掛け声(せーの)に合わせて、コピーさせるように指揮します。

Q.曲で歌を伝えるにはどうすればよいでしょうか。
A.日本では、歌はことばをメロディにつけて作り、歌われてきていることが多いようですが、ここでは、音色にリズム・グルーブをつけて、即興で歌うように入ってみましょう。声を出しながら、詞をつけずに作曲していく気分です。難しければ、楽器のCD(インストゥルメンタル)に好きな音で口ずさんで、鼻歌まじりにやってみてください。(♭)