発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.息の扱い方について教えてください。

A.人間が生きていく上で、普段何気なく行っている「呼吸」ですが、より力強く、幅広い音域の声を出そうとすると、呼吸の扱い方を考え直さなければなりません。普段、会話で使われている発声の時の何倍もの量をっ吸ったり吐いたりできなければ、力強い声や音域の拡張につながらない場合が多いのです。日本語という言語は、欧米の言語に比べて浅い発声を用いて会話していることが多いです。日本という国の文化も影響しているのかもしれません。大きな声で喋るということ自体が美徳とされない文化がありますから…。このような状況ですので、力強い声や幅広い音域の声をそこまで使わなくても日常では良いのです。しかし、歌ったり、声を商売に使わなければならなくなった場合、体という楽器自体の大規模な改良工事が必要になります。その第一段階が息の扱い方です。いつも以上に息をたっぷり吸ってたっぷり吐くという動作に体がついていくようにトレーニングしなければ、体という楽器が改良されません。この部分で皆さん苦労されますが、このトレーニングをこなした人は、どんどん見違えるほどしっかりした魅力的な声に変わっていきます。大きく聴こえるけれど、決して耳が痛くなるような声ではありません。もっとも重要で難しい課題ですが、この部分を大事にしていくことが、後々の自分自身を変えるきっかけになると思います。(♭Я)