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Ａ．原因がわからないのは、安易に何かのせいにしてしまうよりもずっとよいことです。わからないことは悪いことではありません。多くのケースでは、原因は一つでなく、複合的に複雑に重なり合っているのです。それでも、特定したいとあなたやトレーナーが思うと、「これだ」というものにしてしまうかもしれません。医師がそう判断すると、病名がつくこともあります。でもそれらは、定義も曖昧でけっこう幅広く、誰にでも通じるようなものであったりするわけです。すべてを原因究明→対処→解決と考えていくのは、現代人の悪しき思考回路です。
そういう人はその刷り込みからすぐに解けないので、その形でのフォローをせざるをえません。原因、例えば、病名があれば、その対処は、薬ですぐ治ると思うのですが、そういうものではないことが多いのです。
まして、元に戻すならともかく、実力をつけていくというときは、こういう考えは使えないどころかか害になることもあります。自分の潜在的にもつ力を限定してしまいかねない考え方、やり方になりがちなのです。が、大半のヴォイトレはこういう形になりつつあります。（♯）
