発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.シャンソンは歌、それとも語りでしょうか。

A.シャンソンを歌われる目的で、ヴォイストレーニングにいらっしゃる方の多くは声が小さいです。皆さま共通して言われるのは「語るように」というフレーズです。シャンソンの先生にそういわれるとおっしゃるのですが、その時私はいつも質問します。「シャンソンの意味は?」と。シャンソンはフランス語で「歌」という意味です。同じ意味のイタリア語は「カンツォーネ」です。
同じ意味の言葉なのに、シャンソンを歌われる人は、カンツォーネ=声をしっかりと出すもの、シャンソン=語るもの、という区別をされている方が多いです。カンツォーネだろうとシャンソンだろうと、まずはお客様に声が届くということが第一条件であり、私には声がでないことを語りでごまかしているに過ぎないと思ってしまいます。
最も有名な「愛の賛歌」で考えてみると、エディット・ピアフは語っているように聞こえますが、声の輪郭ははっきりとしていますし張るところはしっかりと張って声をだしています。越路吹雪さんの「愛の賛歌」はかなりドラマティックです。
福島先生はよく「役者の声から歌へ」と言われるのですがまさにここなのです。語るように歌ってもいいのですがそれぼやけて声の力がない歌にはだれも感動をよびません。
シャンソンの方にヴォイトレして声を出せるようにすると皆さんそれぞれの現場で誉められるといわれます。ということはお客様もボソボソ語るような歌よりもしっかりと出る声を指示なされるということではないでしょうか。
(♭Σ)