A.昔の日本人は、大半は農民でした。ナンバ歩きで、まともに走れなかった。そのようなことを古武術の先生などが言って知られるようになりました。歩くこと走ることも、泳ぐのと同じく、習って学ぶテクニックだったわけです。
歌も、カラオケの出始めた頃までは、日本人にはけっこう大変だったでしょう。今のように平均のレベルは高くなかったのです。音楽も歌も、庶民のものからプロのものになったあとはそうだったのです。そこでは、天性の天才みたいな人もいました。人前で一声出せば、その差は歴然でした。
それが今や、ありようもないレベルに、日本人の声自体が落ちました。でも、作品は世界へ出ていく。でていけるのだから、そこにはそれ以外に大きな価値がついているとみることができます。(♯)