A.アレンジャーやSEは、歌をバランスよく効果的に整え、心地よくしてくれます。すべての歌をすべてうまく歌える必要はありません。すべての歌を歌う必要もありません。自分の歌を持つこと、自分にしか歌えない歌を持つことの方が大切です。歌手はエンターティナーですから、多くの人のなかで、その人の名前とその人の歌が一致してこそ、プロと認められていきます。
もちろん、ジャズやシャンソンなどでは、本場のものをその雰囲気のままうまく歌う人や、演歌なら何でもござれという流しの人もいます。また、歌は下手でも、自分で作詞作曲したシンガーソングライターは、それが売れたらプロです。
歌で食べられたらプロというのなら、ストリートミュージシャンもプロです。一時、売れたからといって、ずっと食べられるわけではありません。毎日、歌っているからといって、皆が皆、歌い手が本職とも限りません。
聴衆がいたらプロでしょうが、私の知っているオーナー企業の奥さんは、年に4回、大コンサートを開いています。もちろん、プロということばにこだわることはありません。
(私も肩書きや職をよく聞かれますが、公的資格がないものについては、自称してもよいし、まわりがそう呼ぶのなら、それも一理あるかもしれません。私は「トレーナーではない」と断っていたのに、そう呼ばれるようになってしまいました。これを定義するなら、トレーナーというのは、人(の声)を育ててなんぼ、誰の声を育てたかが実績でしょう。プロの定義を、あなたなりにしてみてください。(♭)