発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.ハイトーンを出したい。☆

A.高音は応用の一つです。体のチェックリストでは、表情、口(あご)、腰、太ももなどに、これまでになく、変化(柔らかくする、支える、保つ)が求められます。イメージは縦の線で、天井に響くような感じですが、その上で全体の支えが必要となります。もっとも個人差や一音ずつの差の大きなところです。私のイメージでは、低音域からホップ、ステップ、ジャンプというように考え、たとえば、胸声、ハミング、頭声、胸声、スケール(ヴォーカリーズ)、頭声と、声がもともと高い人やすごく高いところが苦手な人は、ファルセット(裏声)から入るやり方が合う人もいます。

 

体と息を伴い、コツコツ歩く。少し勢いがついてくると、走り出していく、さらに少しずつ跳ねる、やがて浮いて、飛んでいるイメージです。支えられているからこそ、浮いて飛んで、戻れる、つかの間の飛行みたいなもの、それが歌です。

 

ハイトーン、ファルセットは、声帯とその周辺部が健常でないと、どんなトレーニングメニュでも、逆に悪化させてしまう危険があります。発声のイメージや、その感覚や判断も間違えやすいです。誰でも同じ方法やメニュでできるように、アドバイスするトレーナーもいますが、人や状態によってかなり違うので気をつけましょう。

 

現実的には、声のていねいな扱い方を、中低音域で獲得していくことの延長上に、高音は取り組むことです。特に高音でやるだけやってきた人(自己流やトレーナーによってくせのついた人)は、一度そこを忘れて、のどを休め、楽に声の出る感覚を取り戻すことです。

 

一方、まともに高いところを出そうとしたことのない人や、高いところの方が出やすい人は、高いところからトレーニングしてもかまいません。他人のメニュを使うよりも、自分で考えた方が、自分にふさわしいものができます。できたら、ハイトーンで、自分の歌える得意なフレーズを繰り返しやってみてください。

 

 大切なのは、力や勢いでぶつけるようにするのでなく(大声でなく)、焦点を絞り込み、ひびきを集めるようにしていくということです。

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