発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.役者は、舞台で通じればよいのではないでしょうか。☆

A.それでは、最低ラインさえクリアしていれば何でもよいとなりがちです。全体のレベルが低いと、あるいは他のことが優先されると、声はいつまでも後回しで、鍛えられも磨かれもしません。そこでは、声の磨かれる条件の比較的整っている人は、無理した発声や舞台でも、積み重ねていくうちに声が鍛えられていきます。しかし、その条件の整っていない人は、いつも声をつぶしたり、荒らす人として出てきます。鼻にかけたり、顔面だけ響かせたりして、声をマスターしたつもりになっています。トレーナーにもこういう人は多いです。

この傾向は役者だけでなく、声楽家や一般の人のなかでもみられます。ヴォイストレーニングにくる人の多くは、うまくいかないからくるのですが、多くのトレーナーは、自分と同じタイプにして、上達させたと思っています。(特に声優、ナレーターやヴォーカルスクールに多いです)これは、プロやトレーナーが、個別のまったく違うはずの声(という楽器)を、自分の体験だけから自分を手本に、指導するからです。声の条件が整っているかどうかも、簡単には見分けられないのですが、すごく整っている人では、大してトレーニングしていないのに、よい声、深い声、ひびく声をしていることもあるのです。(♭)