A.胸声部の方も高いのと同じで、縦の線上でイメージしていきます。のどから下の方へ胸の真ん中あたりに出口を感じます。のどが離れにくいので、頭の方へのひびきを一度取り除くのもよいでしょう。首から上では音をとらないという感じにするのです。下の1オクターブ話声区と、そのさらに低いところ(歌では、あまり使いません)となります。 そこで得た胸声をキープしつつ、ハミングまでを通じて頭声へチェンジできると、多くの問題は解決します。つまり、ラインを2本キープしておき、縦の線をイメージして、共鳴はその線上で行き来しつつ、自由に扱えるようにするのです。 感覚では、裏声、頭声、胸声、の3区分です。のどははずします。 トレーニングの段階でいうと、上へ伸びるとともに下へ伸びるイメージです。 つまり、素人はのど、アマチュアは中音域、、プロは高音域、一流は低音域の完成となります。 イメージですから、リアルに実証はできませんが、体感として、縦に伸びる方向にしておけばよいのです。 ベルディング唱法は、高音でつまる人もいます。 初心者は、低音と高音を別々に意識して、そのうち結びつくと思えばよいのです。 芯=天井と思うのです。その中でどのような線を引くかが、発声(スクール)トレーニングです。体、声づくりとしては、きちんと埋め、そこを自由に扱えればよいのです。 私が日本人の歌手や多くの声楽家を批判しているのは、高音で勝負しようとしている人ばかりだからです。頭声と同じく胸声も、あてたり押しつけたりしても、かえってひびきを悪い意味で増幅させ、拡散してしまうだけです。 上(高い声)の線で下(低い声)の線との折り合いをつけるのは、民謡など邦楽でもよいといわれています。名人は、上だけのひびきだけの歌唱を批判しています。声区のチェンジがグラジュエーションのように、なめらかになるかは、のどを使うのでなく、上のときに下で支え、下のときにも上で感じていることが必要です。 日常の声は、日本人は中音域、 欧米人は高音域、 ロシア人あたりには低音域もいます。 ここから歌う声を、日本人は胸声の支え(戻れるところ、感覚=芯)をもたずに、頭で勝負しているのです。ボーイソプラノと似ています。また、のどをおして、ハスキーにしている人もいます。どちらも話しているときほどにも深い共鳴に落ちないのです。 なお、内股の緊張の感覚は、低い声よりも、高い声あたりの支えのときに生じます。正しく発声を学んでいると胸に集めた瞬間、頭のひびきが同時にとれる(あるいは、移行します)、これを私もベルカント(よい声の)唱法と考えています。(♭)