A.若くして、あるいは少しのレッスンで、よい声や高い声が出るようになった人は、そうでない人に対して、あまり育てることはうまくないのです。そうでない人ほどそういうトレーナーをみて、あこがれ、絶対的な信頼をおきます。それがよくないとはいいませんが、大きな盲点になるのです。
私が尊敬する、竹内敏晴さんはずっと声が出なかったし、H氏は、芸大に受かるまでに5回落ちました。それゆえ、そこで気づき直してきた経験が、人を変える力を持っています。元々ののどや声のよいトレーナーは、のどや声のよくない人に無力であることも少なくありません。のどや声がよいから、若くしてトレーナーになりたいという人には、私はその得意が大きなハンディキャップになるというアドバイスをしています。(♭)