発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q. 声が小さく弱々しい

A. 話し声が、小さく弱々しい人に共通していることは、病気の場合を除いて、喉(声帯)が未発達ということでしょう。その原因はさまざまでしょうが、基本的に大きな声を出さない、あるいは出せない環境で育ったり、長く生活をしていたりすることが考えられます。

発声に大きく関わる呼吸器官も未発達な場合が多いですが、まれに、スポーツなどで呼吸器官はとても発達しているのに、おとなしい性格などの影響から、話し声が小さい人もいます。多くの場合は、呼吸器官も未発達なことが重なっているので、スポーツなどで呼吸器官を発達させることが可能ならば、あまり楽しくない呼吸練習に日々精進するだけよりは、上達も早くなります。

発声練習として、いろいろなメニュに取り組むことももちろん大切ですが、お笑い番組などを観ながら、大きな声で笑ったりすることも、体と声を開放する観点から、ぜひお奨めしたい方法です。

別のケースで、話し声はそれほど小さくないのに、歌声になると、とたんに声が小さくなる人も、少なくありません。このケースでは、話し声のように声をだすコツがつかめれば、わりと早く歌声は大きくなっていくのですが、意外に一筋縄ではいかないこともすくなくありません。ただ、話し声は普通に小さくはないので、歌うときにかかっているブレーキを、いかにうまく解き放っていけるかがポイントになります。(♭Ξ

 

A.歌声が小さいのか、しゃべる声が小さいのかで変わるとは思うのですが、基本的には歌声ならば歌うしかなく、しゃべる声ならばしゃべるしかありません。歌声ならば最近は一人カラオケなんてものもありますので普段自分が歌わないようにハードロックのようなものを歌ってみてもいいかもしれません。しゃべる声が小さいと思う人は、極端な例ですがお笑いをやってみたりお芝居の劇団などに入ってみるのも一つです。

大きな声をだす環境にいるというのは重要なことです。なぜなら日常の声を大きくしたいと悩まれる人の多くは性格的に、おとなしい、真面目な人が多いです。それ自体は個性ですからなんら否定されるものではありませんが、声を大きくしたいという欲求があるのならば大きな声をだしても恥ずかしくない、声をだすのが楽しいという感覚を手に入れることはとても重要です。

ただこれまであまり大きな声を出してきていない人が突然出すと喉を傷めたりする可能性もあるのでヴォイトレを受けながら声をだす技術を身に付けつつ、精神面でもオープンにできる場所を見つけていけると変わっていくと思います。(♭Σ)

 

A.声が小さく弱々しい人は、大抵の場合は「呼吸が弱い・浅い」ことが要因のひとつです。声は息の流れに連動しています。ですので吸う息が弱くて少ししか取り込めないと、当然吐く息も少ししかないので、どうあがいてもしっかりした声は出しようがありません。

まずは「力強い息を吐く」ことを行ってみましょう。そうすると、頭で考えなくても身体を使っていくしかなくなります。しっかり息を吐いた直後に発声すれば、(声帯が健全であれば)すぐに小さく弱々しい声に変化が現れてきます。

声帯は人それぞれで、声が太い、細い、高い、低いなど異なります。よい悪いもなくただ単にそれが自分の持ち味だと捉えてよい、と常日頃から話しています。「声が小さい、弱い」ということを他の人と比べるのではなく、自分自身の中で相対的(トレーニング前と後で、半年前と今、など)に比較するようにしてください。(♯α)

 

A.声を発するということは、誰でも日常自然に行っていることです。けれども、いざ表現しよう、伝えようとすると、どこかに力が入ってしまったり、上づってしまったりして思うようにならないと言う経験があるでしょう。そんなときはまず体をリラックスさせることから始めましょう。ストレッチなどをして、体全体をほぐします。特に、首や肩や胸に力が入りがちですから、入念にストレッチをして開放します。

次に呼吸の練習をします。床に寝て、静かに呼吸してみましょう。このとき腹式呼吸ができているはずです。

ここまでできたら、いよいよ発声してみます。まずは軽くため息をついてみましょう。 楽に息が吐けたでしょうか。

この息に「ハー」と声を乗せてみましょう。喉に抵抗なく、スーッと声が出たでしょうか。初めは小さな声でもかまいません。まずは心と体をリラックスさせて、自分の体から楽に声を外に出すことを心がけてみます。

これに慣れたら、少し遠くにいる人に声を届けると思って出してみましょう。「オーイ」と公園で遠くにいる人に声をかけることを想像しながら出してみるのもよいと思います。

「声を出す」、と言うことに慣れてくれば、次第に腹筋がつき、声を出すための筋肉も発達してきますので、弱々しい声から芯のある声に変わっていきます。焦らず着実に基礎を身に着けていきましょうね。(♯Å)

   

A.今までの人生の中で、大きな声を使う機会の少なかった人というのは、声を出すこと自体に少し抵抗があったり、自分では精一杯出しているつもりでも、なかなか届かなかったりという悩みを抱えることもあるかもしれません。このような人たちにとって、最も大事だと思うことは、「声を出すための機会をできるだけ多くつくる」ということです。

ひとりで練習していても、声を大きくしていくことは、そもそも自分自身の感覚を変えていかなければならないので、難しい課題だと思います。ですので、必然的に声を出さなければならない環境に身を置くことも重要なのではないでしょうか。

最初のうちは声を出すことに対する精神的な不安も、なかなか声を大きく使えない要因のひとつとして考えられますので、とにかく慣れることによって、その不安を取り除きましょう。そして、徐々に慣れてきたら、少しずつ遠くの人に届けるようなイメージで練習していくと、徐々に大きな声になっていくと思います。(♭Я)

 

A.声帯をしっかりとじられているか、息が吐けているか、体の内側の筋肉の圧力は高まっているか。などの点が、声を強く出していくポイントになるかと思います。

声帯を閉じるといっても、自分の意志で動かすのは難しいことなので、息が吐けているか、から説明します。

目の前にろうそくの火があり、それをスピード感ある息で吹き消すように息を吐いてみてください。弱々しい息しかはけない人もいらっしゃいますが、対象物を作ってしっかり吐けるようにしましょう。このときお腹の圧力も使って、息を吐きましょう。

次に、息を吐くときにお腹やわき腹が、すぐしぼんでくるようではいけません。できれば、息を吐いている間中、お腹が張り出していると、息が支えられます。ろうそくを吹き消すような、瞬間的な息を吐く場合は、お腹がへこむかと思いますが、長く吐き続けるときは、拡張をキープできるよう、筋肉をきたえましょう。(♯β)

 

A.声が小さいのも個性の一つと考えることもできますが、生活に支障をきたすほど周りに聞こえない、息が続かず苦しくなるというような場合は、心身の健康を振り返ると同時に、ヴォイストレーニングの観点からは以下の点を省みてみてください。

「呼吸」呼吸については声の小さな人も大きな人も意識を持つことが大切です。呼吸という文字通り、吐く→吸うの順序です。吐く際にはお腹(丹田)を仙骨の方向へ近づけるように引き、吐き切ったら身体の力を抜くと自然に肺に空気が入ります。最初は長く吐けなくても無理せずに、とにかく吐く息に意識を向けること、自分を追い込まずに気持ちよく吐くことを心がけてみてください。

「鳴り」声が通らない場合、音が十分に鳴っていないことが多いです。低めの音でよいので、楽な音域で「Ou」あるいは「Wa」と短めに何度も鳴らしてみましょう。この場合胸を開き肩の力を抜き、仙骨を立てるという姿勢に注意してください。動物になったつもりで気持ちよく鳴らしてみてください。

「響き」声帯で作られる音は、誰しも弱々しいものです。それが鳴って響いて初めて力強い音になります。したがって、鳴らした後は身体に響かせる練習をします。響かせる場所は頭蓋骨です。小さな音でよいので、頭、おでこに振動を感じてみてください。慣れてきたら鳴らす→響かせるという順でロングトーンの練習をします。

(♯ё)

 

A. 何もしなくても声が大きい人、よく通る人がいます。遺伝の要素(親が声が大きいなど)も考えられますし、学生の頃に所属していた体育会系の部活で大声を出している内に自然と声が大きくなったことも考えられます。

逆に声が小さく弱々しい人、現象は、声が大きい人同様、親から受け継がれた要素も考えられますし、精神的な要素が考えられます。

ある特定の場所、状況、人の前になると筋肉が硬直し声を出したくても出なくなる、もしくは自分が思うより小さな声になるという現象があります。私も嫌という程経験しました。

そのような状況になった場合は、可能な限り自らがリラックスできる場所、状況にいることをおすすめします。そこでたくさん息を吸って(深呼吸)、ゆっくり少しずつ吐きます。それに慣れてきたら声を出します。みぞおちから胆田、腰までの筋肉を長くゆっくり使い、息を上顎の柔らかいところ(息を吸うときに冷たく感じるところ)へゆっくり送りこみます。あとは、少し遠いところへ目標を置き「あそこまで声を届かせる」意識を持ってみましょう。

以上の過程をふまえると、少なくとも「声が小さく弱々しい」状況からは脱却できると思います。 (♭й)

 

A.本来、言葉を発するということは相手に何かを伝えるもの、だとすると【声が小さく弱々しい】というのは、技術云々ではなく、フィジカルな面とメンタルな面の両方で原因を探るべきだと思います。

もちろん数値で測ってないあいまいな【小さく】という表現も、【弱々しい】がつくとなると、発声において能動的に出すべきところを、上記の二つもしくはいずれかの要因によって結果でた声が、【弱々しく】聴こえるものと思われます。

改善を望むのでしたら、環境を整え気持ちもリラックスした状態でのぞまれるのはいかがでしょうか。(♯⊥)