A.発声に関する本やネットを見ると「喉に負担をかけない」「喉を傷めない」などの文言をよく見かけます。しかし現実問題、声を出しているときはそれなりの疲労を伴います。問題は、ある程度の喉の疲労ならば、ある程度の声のレベルを維持できるというのが重要です。
例えばどんな発声練習でも1時間やれば程度の差はあれ、ある程度は声帯や声帯周辺の筋肉は充血します。発声が悪ければ本来必要ない箇所まで充血することもありますし、疲労が速かったり、パフォーマンスが落ちるでしょう。
我々は本番前に「本番前に声を温める」という理由で発声練習をすることがありますが、これは、声がよく出る状態まで充血させているのと同じことなのです。
歌うことよりも喋ることの方が喉が疲れます。人の歌を聴いていても、声帯は人の声に反応して動くことがあるので、人のレッスンを行うというのは歌っているときよりも喉の疲労が大きいことが多いです。レッスンの人数が多いと、2~3日はダメージをひきづることがあります。
しかし、全く傷めない、全く疲れない発声などはなく、皆それを乗り越えたり、それをカヴァーする技術や精神力をもっているなだと思います。(♭Σ)