発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.レッスンと本番のバランスについて教えてください。

.ヴォイストレーニングでは、指導者からここを響かせて、ここを張って、そこを絞めてなど、いろいろなアドヴァイスがあると思います。それ自体はとても重要なことですし、私自身もそれぞれのアドヴァイスをしていますが、実際の問題としてはレッスンで学ぶべき要素はステージでの発声の問題の五割にいかないと思います。実際には広いステージや舞台、ライブハウスなどで実際に声を出しながら身につけていくものがかなり重要だからです。

レッスンで学ぶことをいかにステージで応用、さらに含まらせていくかが重要であり、レッスンでうまくいけば全てのステージがうまくいくことはありません。

例えば顔の周辺の副鼻腔と呼ばれる部位を意識したり、目の周辺を意識するようにアドヴァイスされることが多い「マスケラ」ですが、そこを響かせればすべてが終了ではなく、そのマスケラで響いたものをホールに飛ばす作業が必要なのです。レッスン室では歌えるのにホールで歌いづらくなるという人は悪い意味で喉がなり過ぎているか、響きが外に出ていかないことが多いのかもしれません。

しかし、レッスンでの五割のものがとても重要であり、そこがクリアできてこその舞台という考え方もあると思います。やみくもにステージに立てるわけでも、ステージで歌っていれば上達するわけでもないので、まずはレッスンでの技術の向上を大事にしてそれを本番でどう活かすかということを考えなければいけません。(♭Σ)