A.声が固いと言われる方は、喉を使っているわりに、響きの少ない場合も多いようです。喉が未発達でうまく使えず、小さく弱々しい声しか出せない状態から比べれば、たとえ固い声でも、そこそこしっかりした声が出せるという点では、ワンランク上のレベルと喜んでもよいでしょう。
問題は、響きが無さ過ぎるか、喉でややがんばり過ぎているということです。喉でがんばり過ぎているだけなら、調整はそれほど難しくありません。少しがんばりを和らげて、これまでの5~9割程度のがんばり具合の幅の中で、弱めの声から、張りのあるやや強めの声までを、うまくコントロールして、使い分けるようにすることです。
いつでも100パーセントのがんばりで通していると、喉と声は強くはなりますが、聴く人にとって、必ずしも心地のよい声にはなりません。
響きがなさ過ぎる場合は、響きを育てていかなくてはならないので、少し時間がかかります。ハミングで鼻腔共鳴を育て、口の中を広げて口腔共鳴を育てながら、胸部共鳴を育てていけば、大きくて柔らかい豊かな響きの声に変わっていくことでしょう。(♭Ξ)
A.固い原因は人さまざまなので、その人を見ずに原因も解決法もわかりません。固さの原因はたくさんあります。これまでのトレーナーとしての経験上、いくつか例を出すならば、
1.体(胸、喉、首、肩、腹、背中等)が固い
2.吸気を意識しすぎて(入れる場所を)固い
3.吸気を吸わな過ぎて固い
4.自分のベストな音量が理解できていない(大きすぎる、弱すぎる)
5.メンタル(緊張しやすい、正しくやろうとしすぎる、間違えないように考えやすい等)
すべて発声で治ることもありますが、基本的には「吸気で首や喉を固くしない」というのが多くの方に対して効果が高いアドヴァイスです。
1~5のほとんどの方は声を出すまえに固まったり力んでいることが多いからです。発声自体が吸気からスタートしていると考えると声を出しているときに体を緩めても遅いです。息を吸ったときの状態が柔らかくあるべきだと考えます。(♭Σ)
A.声が固い人は、大抵は喉や口周りに力が入ってしまっています。その原因の多くは、ちゃんと息が流れていないことにあります。本来、声帯を振動させても息が吐けていなければ声になりません。歌や朗読、普段の会話など何にしても、息の流れに乗って声が出ていきます。ですので、本当はちゃんと息が流れていないことで声の出にくさを感じているわけですが、しっかり声を出そうとして息の流れは少ないまま喉で声を押してしまうために力んだ声、固い声になってしまうのです。
また、喉で声を押すという行為は、息の流れをその都度止めているようなものなので悪循環です。一旦「声」から離れて「吐く息」にフォーカスし、ご自身の息の流れの状態を知ることが必要です。
呼吸の練習をしてみると、声が固い人は始めは息が弱い、短い、まっすぐに吐けないなどの状態が見られますが、そこを改善していくことでその後発声したときの声にも必ず変化が現れてきます。(♯α)
A.体にへんな力が入っていませんか?正しい姿勢で立っていますか?そして、正しい腹式呼吸ができているでしょうか?肺に入った息が声帯を通過することによって声帯が振動し声が出ます。このとき正しく息が流れないで、無理に声帯を力であわせて声を出せば、息が流れていないので固い声が出ます。
喉をぎゅっとしめて、呼吸をセーブしたり、声を押し出したりするのも固い声が出る原因です。胸は広く、肩は楽に、首の後ろに力を入れて固めないように。顎や舌に力が入っていないでしょうか?力を抜きましょう。顎は楽に、舌は下の歯の裏に舌の先が軽くついて、下の歯のラインにそって平らになっているでしょうか?よく鏡を見て自分のフォームを確認してみましょう。
ビブラートがない声は息が流れていない証拠ですから、いけません。まず息を流して、そこに声がのるよう訓練しましょう。すると、固さがとれ、楽な発声で歌えるようになります。(♯Å)
A.声が固い理由のひとつとして考えられるのは、腹式呼吸ではなく、胸式呼吸になっているからです。
胸式呼吸になっているということは、お腹ではなく、胸や肩や顎、喉などで支えることになります。それらで支えれば、発声時に余分な力がかかります。本来ならば、左右の声帯が、息が通過することで無理なく合って振動して声が出るところを、無理に締め付けて出しているわけですから、当然固くなります。
同様に、舌根に力が入っていても、楽に息が流れないため、固く尖ったような声になります。要するに「喉声」というわけです。体の筋肉を使って呼吸を支え、声が顔や頭蓋骨に共鳴すれば、固くなることはありません。
ウォーミングアップで、舌を下唇の上に乗せて脱力をして、ピアノ、スタッカートでハで音階を降りてくる(ソファミレド)練習をすると徐々に脱力の感覚がわかります。
初めはやりにくいですし、また頼りない声で不安を感じると思いますが、繰り返しやることで固さが取れてきますのでおすすめします。(♯Å)
A.声が固いという場合に考えられるのは、「力み過ぎ」であるということです。力み過ぎといっても、本人の自覚とは別に、体が勝手に反応してしまっていることが多いのが厄介な部分です。人によっては、「喉に力を入れて出すこと」を習ってきた場合にも起こり得ます。喉で支えて体の必要な部分の支えがない状態になってしまっているのですね。
声が固いと認識できていることは大きな進歩です。声が固い人に見られる現象としては、息を省エネし過ぎであるということです。本人は吸っているつもりかもしれませんが、客観的にみると、余り吸えていない場合が多いです。
吸っていたとしても、吸うときに肩が上がっていたり、長い間吐けなかったり、という現象が気になります。このような人は、息を焦らず、ゆったりと、深い部分に取り入れられるような訓練をしていくことが大事です。息の流れに乗せて声を出していくことができていないために、固い発声になっているように感じます。息を深く取り入れて、上半身の過度な力みを解き放ち、必要な部分に負荷をかけて発声することに慣れていきましょう。
(♭Я)
A.声が固いという方は、たいてい声帯の周りの筋肉を固めてしまっていることが考えられます。また、声帯の伸縮が自在にできず、声帯のストレッチも必要かと思います。
まず、声帯の周りの筋肉を固めていることについては、まず脱力して声を出すことをお勧めします。一番良いのは寝っ転がって、肩、腕、胸 どこにも力が入っていない状態で「あー」と声を出してみてください。この時に首元の声帯がある部分の周りの筋肉を外側に円を描くようにさすって脱力させてください。
次に起き上がったら、前かがみの前屈の状態で、「おー」と声を出します。フクロウのように口の中を広く、そして唇、声の出所を細くして、唇の先に焦点をもって出してみてください。
声が固い方は、声のゴールを自分の中に持っていたり、声を話すのが怖くて喉元で押さえて保持している方がいますが、声の大原則は、自分で自分の出している声を保たず、聞かず、外に出続けている感覚が必要です。保持するという感覚があると声はどんどん固くなります。
最後に声帯のストレッチですが、下の音から上の音まで、地声から裏声になって構わないので、上下にいったりきたりさせてください。高音に行けば声帯は伸びて薄くなり、低音に行けば声帯は太く短くなります。この運動を続けて声帯のストレッチをしましょう。(♯β)
A.かたい、柔らかい、等の表現は主観的、抽象的な表現なので、実際に声を聴いてみないと適切なアドバイスは差し上げられないということを前提にお答えします。
柔軟性がない声というのは、曲やテキストに合わせた様々な音色を使い分けることができない、キーが広がらない、息が続かない、疲れる等の問題が出てくると思います。
声を柔らかくするというよりも、声がかたいために制限されることは何だろうと具体的に考えてみてください。
そして、それらとひとつひとつ丁寧に向き合ってみてください。
一つ試していただきたいのは、一度キーを(朗読であればトーンを)自分の最低音に合わせて低くしてみることです。ごく低い音域で身体に共鳴させる感覚をぜひ体験してみてください。その時の声、息の続き具合、疲れ方などなどご自身の感覚を一つ一つ確かめてみてください。
こんな低いキーでは人前でやらないというキーでOKです。練習だと思ってトライしてみてください。
よく低い音になると声帯がならない方がいますが、それは低すぎるということですので、ご自身の声がリラックスして胸、顔面に共鳴する位置を探ってみてください。
その後、いつものキーで練習してみます。低い位置で鳴らした身体の感覚と普段のキーに上げたときの感覚をよく確認します。できれば誰かに聴いてもらったほうが良いですが、いない場合は自分で注意深く観察します。(自分で自分の感覚を知覚するのはとても大切なことです。)
どこが違うのか、高いキーだと自分は何をしようとしてしまうのか(無意識のことが多い)、自覚してみましょう。自分の声を振り返る訓練になると思います。(♯ё)
A.歌を歌うこと、舞台でセリフを発するなど人前で声を発する機会があります。その際に「声が固い」という評価を受けた方は少なからずいると思います。
声が固くなる主な原因としまして考えられることは、
・体そのものが緊張して固くなっているため、体の筋肉が流れとして使えなくなる、筋肉を固めてしまう。
・舌根が固い。
・ブレスが浅い。
・息を一度に吐きすぎる。
・声を前に(あるいは体の前面だけで)出し過ぎる。
いずれにしても、肉体的、心理的に体が固くなることが原因の多くと考えられます。まずは、リラックスをし、声を出す前に体をほぐすなどをして血流をよくしましょう。ただリラックスし過ぎて肝心なところに力が入らなかったり、リラックスすることを意識しすぎてかえってリラックスできなくなる。ということは、避けたいところです。
次にリラックスできた状態で、息をできるだけ吸い、その吸った息を体の筋肉を使い、上顎までゆっくり送ります。筋肉を丹田~腰~肩甲骨~首の順にゆっくり使います。この「ゆっくり」がポイントです。その状態で「ア~」などロングトーンをします。
以上のことをふまえて声を出すことにより、固い声が多少柔らかくなると思います。(♭й)