A.声は、なぜ出るのでしょうか。声帯が振動するおかげで、声が出るということは、皆さんご存知だと思いますが、声をあまり出さないでいると、廃用性萎縮で、喉回りの筋肉が衰えてしまい、しだいに声が小さくなって出し難くなっていくことはご存知でしょうか。その治療法として、頻繁に咳ばらいをしたり、わざと喉を詰めたりするというのを、聞いたことがあるかもしれません。
ヴォイストレーニングで、「喉を使うな」とよく言われるのは、「喉を使い過ぎるな」という言葉の綾で、本当に喉を使わなければ声そのものが出てきません。ですから、喉は、適度に使えば使うほど、強くなるのですが、適度ということが意外に大切です。たとえば、頻に咳をしたり、あまりにも笑い過ぎたりすると、一時的に声が掠れたりします。また、ほんの一瞬でも、限度を超えた大声を出してしまうと、声帯を傷めてしまうことがあり、治すのに何年もかかってしまうことも、稀にあります。ですから、声を出すために、喉は使うべき器官なのですが、その限度は想像以上に低いので、慎重に取り組むことが必要不可欠です。(♭Ξ)