発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.日本のアナウンサーの声は高いのですか。

A.日本とアメリカの女性アナウンサーの声の質を比べると、アメリカより日本のアナウンサー方が甲高く硬質で抑揚が大きいそうです。これを調べた宇都宮大学工学部の柏谷英樹教授(電気電子工学)とスタッフらは、来日したアメリカ人から「日本のテレビやラジオの声は非常に甲高くてイライラする」という感想をたびたび耳にしていたためです。そこで、日米の放送の声の高さを比べてみることにしました。調査では、日本(NHK5人と民放4人)、米国(CNNなど9人)の女性アナやキャスターがニュースを読んだ声を40秒前後ずつ録音し、周波数を分析しました。

その結果、声の高さを示す平均基本周波数は、アメリカが162-206Hzと低く落ち着いた声だったのに対し、日本は202-276Hzと甲高い声でした。日本国内では、MHK202-257Hzに対し、民放は227-276Hzとさらに甲高かったのです。抑揚(声の高低のメリハリ=基本周波数の標準偏差)も、日本の方が大きいという傾向がかなりはっきり出ました。

今回の調査では、日本のアナウンサーの声は通りがよいですが硬く、アメリカ人のキャスターの声は通りが悪いですが柔らかい、という傾向があることもわかりました。

(♭ф)