発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.腹式呼吸の弊害は、ありますか。

.実際には、腹式呼吸に弊害があるのではなく、腹式呼吸に偏り過ぎて、胸が閉じてしまうことに、問題があるのです。腹式呼吸は、とてもたくさんの空気を吸うことができるので、かなり上達すると、腹式呼吸だけで、歌うことはもちろん、日常生活の中でも、ほとんど困らなく、用が足りるようになります。こうなってくると、肩や胸(肺の上部)で呼吸をしなくても済むようになり、スポーツなどで頻繁に有酸素運動でもしないがぎり、あまりその部分を動かさなくなってしまいます。このことがやがて、肩や胸の柔軟性がなくなっていくことにつながっていくのです。

声楽のヴォイストレーニングでは、喉の脱力ということが、よくレッスンの初期段階で言われますが、胸を広げていると、喉には力が入れ難くなります。喉をしっかりうまく使って、声の表情を組み立てていく邦楽の方には、発声時にはあまりお勧めできませんが、健康のためには、胸をいつでも開くことができるように、気にかけたほうがよいでしょう。(♭Ξ)