A.日本の音楽は、種目や流派によって細かく分かれ、全体を統一する理論体系ができあがっていません。
ただ、特徴として、
1.拍の音価がきわめて大きい、また無拍のリズムがみられる
2.拍の伸縮が表現に結びついている
3.拍節の構成にあたって、強弱の要素があまり重要な働きをしない
4.リズムからみたフレーズの構造は、常に完結的である
5.強弱法(デュナーミク)によってリズムの波を細かく刻んでいる
ドイツのラッハマンは自由リズムですが、こうした無拍のリズムのなかにみられる規則性が緊張感をもたらす要因となり、民謡などではとくに重要視されています。
(雅楽では、四【よ】拍子のほか、テンポによる数え方の違いによって延【のべ】拍子、早【はや】拍子に分かれます。また2拍+4拍あるいは4拍+8拍の只【ただ】拍子や、2拍+3拍の夜多羅【やたら】拍子などの変わった拍節法もあります。)(♭ф)