A.私が歌手以外で最初に受け持ったのが、エアロビクスのインストラクターと学校の先生、そして外交官の方でした。
「外国人と討論すると、最初は落ち着いた声で、互角にわたりあっているのです。しかし、長くなってくると、私の声は高くなり、息が続かないので、ハイペースになります。英語力では負けていないのに、声が上がってきて、それで負けてしまったような印象になるのが耐えられない」ということでした。
議論は、興奮してきたようにまわりに見られてしまうと、不利です。内容でまったく負けていないのに、それを聞いているまわりの人には、落着いた声の相手の方が、信頼がおけるように、そして正論のようにみえてしまうのです。
国際舞台の第一線で活躍する彼の悩みは、説得力が語学力でなく、声の力であるために生じたものだったのです。
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