A. 折に触れてこの質問を耳にします。喉のためには声の出がいまいちのままで調子がよいときの練習方法を強行しない、ということです。声の出にくい状態と分かっていながらそれを続けるということは、いずれは声が乗ってくるかもしれませんが、それまでの間ずっと喉に負担をかけていることになるのです。
また、ようやく声が乗ってきたとしても、それまでの負担は消えるわけではなく、今日分の声帯の疲労として抱えているのです。
歌は自分自身の身体が楽器ですので、だれもがそのときの体調や気圧、気候の変化などの影響を受けるものです。そんなときは、まず声を出す前に呼吸の練習でしっかりと息を流す、ストレッチで身体を広げる、といった時間をとり、楽器である身体をいつもより丁寧にウォーミングアップしてあげることです。とにかく焦らずに、調子がよいとき・そうでないときでは状態が整うまでの時間が違って当然と捉えましょう。(♯α)