トレーニングを始めて年数が経っていない人によく見られるのは、音を一つ一つ止めて歌っているような歌い方です。日本語は一音節に大体一音当てられているので、音符に忠実に歌おうとすると、流れが止まってしまうのかもしれません。たとえば「かえるの歌が」と歌いだしたときに、「か、え、る、の」と一つ一つ止めてしまい、音同士をレガートに歌えないということがあります。
音楽的に歌おうとしたときに「かえるの」この四つの音節は同じ価値で歌ってもいいものでしょうか。語頭は大事に歌うべきだと思いますが、「かえる」この三文字の中でも大事な音、少し抜く音、次につなげてスムーズに橋渡しする音などのように、機能を変化させてもいいわけです。しかも「かえるの」の「の」は助詞なわけですから、なおのこと同じ価値で歌わなくてもいいのだと思います。
音がどんどん次に向かっていくように歌えたら、今度はフレーズ単位で考えてみてください。大体に曲は2小節段位、4小節単位、8小節単位でフレーズが作られています。まずは少ない単位から練習し、最終的には一曲(複数の番がある場合は一番のみなど)すべて視野に入れたまま音楽をスタートさせることができたら、曲のまとまりができてくると思います。(♯β)