発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.曲を表現する

A.ヴォイストレーニングで声を磨いたそのあとの目標は人それぞれかと思います。しかし、声をトレーニングしてそれを武器に、歌の人は曲の表現に生かしていただければいいですし、役者の人はお芝居のその役の声色に生かしていただくのが最終段階なのかと思います。

カンツォーネは、ほとんどが男性が主人公で、報われない愛を歌っている歌詞が多いです。この主人公の気持ちを、音符や歌詞にのせて歌っていただければいいと思うのです。ただ単に声を磨くだけではなく、それを表現に生かしていただきたいです。ではどのような方法で表現ができるのか。その歌詞の主人公の気持ちをうまく感じて、心を込めて演奏するだけでできてしまう人もいるかもしれません。しかし、その方法を持ち合わせていない場合は、ちょっとした工夫で表現できているかのように歌えます。

まず、言葉の最初など大事に歌いたい音とそうでない音の長さや強さを変えて歌ってください。「忘れな草」の曲であれば「君の愛なくば この世に生きる甲斐なし」の「き」「あ」「な」「こ」「い」「か」この音節をほかより2倍、時には3倍に引き伸ばして丁寧に、そして重みを込めて歌ってみてください。あとは気持ちに嘘がないよう、主人公の気持ちを代弁するかのように、よく詩の内容を解釈して歌いましょう。([E:#x266F]β)