発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.コペルトとは何ですか。

A.アペルト、イタリア語のaprire「開ける」の過去分詞形がapertoで、それに対してcoprire「覆う」の過去分詞形がコペルトcopertoです。

歌では、口を開けて頬骨も上にあげて、両サイドに広げるようにし、唇も歯の上にめくれ上がったような感覚で歌うものをアペルトと表現します。これは特に三点Cなどの超高音を歌うときには役に立ちますが、中音でこれをやってしまうと音が散って、喉も上がり、声はかすれやすくなります。

それに対し、コペルトは唇を歯の上にかぶせて、上あごが、あたかも屋根のように覆いかぶさっているような状態を言います。「オ」の口をたてで作るとわかりやすいと思います。このフォームのメリットは、響きを集めてきて、散らすことなく、中音で音を響かせるのに役だちます。歌のためにはどちらもできるように、上あごの周りの筋肉や唇をフレキシブルに動かせるよう、柔らかくしておく必要があります。どちらかしかできません、とか、自分のコントロールが効かず勝手になってしまう、という状況を避けるために、常日頃から意識して動かしておきましょう。([E:#x266F]β)