A.アペルト、イタリア語のaprire「開ける」の過去分詞形がapertoで、それに対してcoprire「覆う」の過去分詞形がコペルトcopertoです。
歌では、口を開けて頬骨も上にあげて、両サイドに広げるようにし、唇も歯の上にめくれ上がったような感覚で歌うものをアペルトと表現します。これは特に三点Cなどの超高音を歌うときには役に立ちますが、中音でこれをやってしまうと音が散って、喉も上がり、声はかすれやすくなります。
それに対し、コペルトは唇を歯の上にかぶせて、上あごが、あたかも屋根のように覆いかぶさっているような状態を言います。「オ」の口をたてで作るとわかりやすいと思います。このフォームのメリットは、響きを集めてきて、散らすことなく、中音で音を響かせるのに役だちます。歌のためにはどちらもできるように、上あごの周りの筋肉や唇をフレキシブルに動かせるよう、柔らかくしておく必要があります。どちらかしかできません、とか、自分のコントロールが効かず勝手になってしまう、という状況を避けるために、常日頃から意識して動かしておきましょう。([E:#x266F]β)