A.くせというのは、一度、身につくと直しにくいものです。まず気づかないし指摘されてもやりたくてそうしているのではないからです。そうしたくなくてもそうなっているのは、他にやりようがなかったりするわけです。
それに何より、当人には、その方が楽で慣れていてやりやすいのです。まして、そこに個性や価値が認められてしまったらどうなるのでしょう。そこには、声特有の評価のあいまいさもあります。
アニメ声、かすれ声なども、その一つとなっています。
より高い目標や安定した持続性、つまり、体の方から発声の原理からの完璧、完全が求められないなら、変わる必要も感じないでしょう。それを求められる人や求める人は数少ないのです。しかし、そうしたくせ声が、後で限界や破綻の原因となっていくのです。([E:#x266F])