A.気になるのは、遅れているという自覚がないことです。まずは、拍を取ったりメトロノームを使うなりして、テンポに遅れていることを自覚することです。そこに気づけば、無意識のままよりもはるかに改善が早まります。テンポ感を調整する方法として「すべての音をスタッカートで歌う」という練習があります。自由な時間を与えず、強制的に声を長く伸ばせない環境にします。スタッカートのその瞬間に音を捉え、しかも歌詞を発音するのは一見して無理そうに感じられるのですが、やってみるとできるものです。
すると、自由な時間がないため今までテンポを遅らせていたこと(リズムがあまい、発音が間に合っていない、口を開けるのが遅いなど)が出てこなくなります。スタッカートで歌えるようになった後でようやくレガートに戻したとき、遅れるどころか以前よりも時間的ゆとりを感じながら歌い進める感覚がくるはずです。([E:#x266F]α)