A.よくオペラ歌手は、自分の喉や体を楽器としてとらえる発言をします。自分の一人称として「この楽器は」などという表現を会話の中でよく耳にします。どこの筋肉をどう使うとか、どう使えばどんな音が出せるかなどの客観視ができているということなのでしょう。実際に、自分を客観的に楽器と捉えてみてみましょう。
コントラバスを人間の体ととらえ、弦と弓の当たる部分は声帯と捉えます。木の部分は体です。コントラバスは弦でなった音が木の空洞の中に振動して音がでます。人間でいうと、声帯で作られた音が、胸の中や頭蓋骨の空洞部分や骨に振動します。肩のラインを意識してみてください。まるで自分がハンガーにつるされているかのように筋肉を伸ばして張ります。コントラバスの外枠のようなイメージで自分の体をとらえてみてもいいでしょう。この体の構えが声を出す際の支えにもなります。
こういったイメージで自分の体を客観的に音の出る楽器と捉えていくと、この筋肉を伸ばしてみようとか、ここを緩めてみようという取り組みができてくると思います。([E:#x266F]β)