A.風邪が長引いたり、入院したり、何かの都合でしばらく声を出せなかったという状況は、多くの人が経験のあることだと思います。しばらくの間、声帯をしっかりと使わなかったせいで、久しぶりに歌ったときに声が出にくく感じるというのは当然のことです。
しかし、それだけではなく、もっと大きな理由は、歌うための「身体の支え」が弱くなっているということです。運動不足で久しぶりに身体を動かすと、身体の反応が鈍いのと似ています。ですが、そのせいで一年前の状態に戻るということはありません。この一年間に、様々なトレーニングを経て声が出しやすい状態になり、「よい体感」を得ているのです。一年前の「よい体感」を知らなかったときの自分に戻ることはないのです。今は、その体感に戻ろうという意識で練習に取り組める自分がいます。どうぞ焦らずに「身体の支え」を整えていくことに気持ちを向けてください。([E:#x266F]α)