A.しっかりとご自身の意志を持ち、積極的に取り組まれる姿勢はよいですね。そのご希望はなるべく考慮したいと思います。しかし、音域を固定し過ぎるのは、あまりお勧めしません。声が低い人は、高音域までトレーニングすることで、低音域も充実していきます。同じように、声が高い人も低音域まで行うのです。これは、私自身も体験がありますし、他の人々のレッスンでも多く見てきています。
要するに、低い声を育てるアプローチは、低い声にだけ行うのではない、ということです。これからは、声帯を柔軟に使っていく中で低音域も育っていくのだと捉えて、低音域だけに偏らずに他の音域も含めてトレーニングしてください。
この「偏らない」ことに関しては、歌い方にも言えます。たとえば、何かの役柄で重々しい歌い方ばかりした場合には、歌い方が偏らないよう、発声で軽やかな音型を使って声を動かし柔軟性を戻す(その感覚を戻す)という作業をして状態を整えることです。([E:#x266F]α)