A.似たような状況は割とよくあります。「何もしなかった」という感覚だったと、ご自身のことを観察できているのは、あなたにとって大きな前進だと思います。
今までは、やらなくていい「余計な何か」をやっていた、そしてやらない自分にはもっていけない状態だったからです。「余計な何か」とは、例えば高音になると顎を上げるとか、力を入れるとか、その人の歌い癖によってさまざまです。
実際は「何もしなかった」と感じるそのときも、身体は歌うためにいろんな働きをすでにしているのです。つまり、あなたは今まで「余計な何か」のせいで作業をやり過ぎていた(力み過ぎていた、歌いにくくしていた)ということです。そういうことで、今あなたはよい方向に進んでいるのです。ぜひ「何もしなかった」と感じるそのときの体感を定着させていってください。