A.歌もことばも、発声や滑舌の「技術的基礎」に関してはいろんな練習やトレーニングがあります。そして、上級者になるにつれ、どうやったらより「深い」表現ができるようになるかと悩むことでしょう。そうはいっても表現にも技術的な部分があります。技術的な部分とは、「大きい小さい」「速い遅い」「高い低い」のコントロールです。
朗読のトレーニングをするときに、この3つを極端にやってみましょう。
まずは「大きく」読む。そして「小さく」読む。「速く」読んで「遅く」読む。「高く」読んで「低く」読む。(このときには、それぞれ他の項目は全く注意を向けなくてかまいません。)
女性は「高くてかわいらしい声」が求められる傾向がありますが、それはあなた本来の声ではない可能性が高いため、注意が必要です。意識して「低い」声をトレーニングしましょう。一つひとつの項目が体として違和感なくできるようになったら、次はそれを組み合わせていきます。
「大きく速く高い」「大きく速く低い」「大きく遅く高い」「大きく遅く低い」「小さく速く高い」「小さく速く低い」「小さく遅く高い」「小さく遅く低い」この8通りはすべて瞬間に変えられるようにします。これだけでも、聞いている側からするとかなり表現の引き出しがあるという感じがします。