A. ちゃんと歌い出せない原因というのはいくつかあると思います。例えば、ブレスが遅い、何となく歌い出している、テンポに乗るのが遅い、音程に自信がない、などが挙げられます。どれが原因かはさておき、これらに共通しているのは常に「歌い出し」という環境で起きており、いまだ解決していないことです。
ならば、いったんその環境を変えてみましょう。つまり、「歌い出し」ではなくしてしまうのです。例えば20小節ある曲だとしたら、後半の15小節あたりから後奏のつもりで歌い始めて、15~20小節~1小節目という順番で歌い進めるのです。
このように練習するだけでも、「歌い出し」部分の状態(音への準備、ブレス、テンポ感など)はガラッと変わってくるはずです。この方法で「歌い出し」の音をしっかり歌える感覚を身体に叩き込むのです。そしてよい体感を得たなら、その感覚を維持するつもりで、また本来の「歌い出し」に戻して(楽譜通りに)歌ってみてください。