A. 楽器の演奏とは違って、歌を歌うときは自分自身の身体が楽器となって声を出します。そして歌うための技術的な部分と、気持ち(思い・表現・メンタル)の部分は切っても切り離せず、それぞれが影響し合って歌を歌っています。ですので、気持ちの部分が声に影響するのは当然のことなのです。あまり悲観的になる必要はありませんが、上記の理由から見ても気持ちの問題だけに目を向けるのは遠まわりです。それぞれに影響し合っているのですから、逆に技術的な部分からアプローチするという方法も解決の糸口になります。
曲はいったん置いておき、息を吐く呼吸の練習や、短い音型を使った発声練習で息(または声)を「しっかり発信するという感覚」を、気持ちではなく「身体」で覚えていくのです。ここでは細かい練習方法は割愛しますが、何度も反復することによって、身体の使い方やしっかり発信したときの体感を積み重ねることができます。そのことを「身体」が覚えると、今度は脳がそれを学びます。言いかえると、先に「身体」で知り、その後で気持ちがついてくるという感じです。