発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q993.レッスンでもよく注意されるのですが、スケール練習をしている際に音が流れてしまいます。流れないコツはありますか?以前、低音を中心に鍛えていたときに声帯で一音一音とると教わったのですが、ジラーレなどの高音でハミング練習する時は声帯を使っていないので鼻で音をとるといいのですか?さらにハミングから声に結びついた時は声帯でとるのですか?

A.スケール練習で音が流れないようにするコツはスタッカートをお腹で切ることです。スタッカートは低音・中音・高音すべて同じ要領で行いましょう。その上で声帯を意識するか、鼻くう共鳴を意識するかなど共鳴部位に入ります。低音は胸部、中音は頭部の中でも声帯、高音は頭部の中でも鼻くうを意識してください。ハミングから声にする時は声帯は意識しません。
 ハミングの時にすでに声帯は振動しているので、声にするからといってさらに声帯に負担をかけると声が重くなってしまいます。音域によって共鳴部位を変えるので声区の分裂が生じます。ですので音域の広いスケール練習などでは声区の融合をしなければなりません。