A. 歌という作品と歌い手という2つの条件によって、大きく変わると思います。日本語の感性が全くなくて、日本人や日本語を知らない人が、日本の歌を歌っても、とてもうまく伝わることもあります。それは、歌というのが、音楽であり、言語の壁を越えるからで…
A. 今の時代において、日本人と外国人というのを個別でなく総じて述べるのは難しいことです。日本語を話すことにおいては、一般的に、日本人の方がうまいというようなことで述べます。 外国人が日本語で歌うと、微妙にアクセントなどに違和感が感じられると…
A. 歌を歌っていけば、誰でもうまくなるのですが、多分そういうことを聞かれているのではないと思います。日本語の歌だけ歌ってもうまくなった人はいますが、うまくなった人の多くが、海外の歌などから、歌唱に必要な力を得ていることが多いのは確かだと思…
A. 優れた歌の中に、効果的にブレスのノイズが入っているのを聞くと、どうしてもそれを真似たくなるというのは、わかります。最近の歌手の場合は、それをわざと入れているようで、私はとても不自然に思います。それは本来、感情表現の中で、生じたノイズで…
A. 歌も違えば歌い手に問われる条件も違ったと思います。音響などであまり加工ができない時は、歌い手自体がしっかりした大きな声で歌う必要がありました。ラジオやレコードで耳だけで聞いていたので、音色や歌詞の聞きやすさなどが重視されていたでしょう…
A.日本語が乱れているということは、正しい日本語から見てということだと思うのですが、何をもって正しいのかは、時代によって変わります。昭和の頃は歌詞が短く、作詞家が本当に詩を書くように作っていました。それが、シンガーソングライターになると、メ…
A. 時代や聞く人の状況と歌は、リンクしているので、どんなに優れた歌手やその作品でも、全ての人がそれを聞いて感動するわけではありません。評価されているのは、それなりの理由があるからです。その点を私は研究でまとめました。本当に優れた歌い手とい…
A.確かに、下手でない歌を評価するには、カラオケ採点機はとても有能です。リズムや音程なども考慮して判断するからです。ただし、その点数が高いのが、優れた歌というわけではありません。かえって、歌唱力のような評価調整機能がついてから、正確に歌わな…
A. 判断基準そのものがあいまいな場合が多いし、自分の気分や感情でどうしても左右されるものですから、ともかくも、優れたといわれる箇所を聞いて、それと比較するということがよいでしょう。普通に聞くと、カラオケの人の歌もそれなりにうまいし、感動で…
A. それはたくさんの優れた歌を聞いていて、その中から何が違うのかを取り入れているからです。また、実際のレッスンの経験からいうと、100人ぐらいが同じ歌を順に歌ったとき、集中して聞けるのは、最初の10人ぐらいですが、その後、集中して聞けたら、かな…
A. いろんな価値観があります。その人の個性を出して歌う場合もあれば、その人自身が消えて、その世界が成立するように歌うこともあります。これは芝居などもよく似ています。人にもよるし、個性にもよるし、求められるものが何かにもよると思われます。あ…
A.発声や歌唱の技術ということであれば、それが最も、安定して確実に表現できることだと思います。もしそうであれば、そういうスタンスを持つのはよいことだと思います。ただ、時も流れるし、お客さんも変わっていきますので、あまりとらわれすぎることはよ…
A. 勉強としては、そういったプロセスを大切にしてみてください。ただし、実際にステージに立ったときには、それまでのことをすべて忘れて、そこで思うままに表現してみる方がよいと思います。勉強したことも全て過去なのですから、過去にはとらわれないで…
A. これも歌にもよりますし、ジャンルにもよります。できるだけ、どちらの要素も踏まえて、処理ができればよいでしょう。矛盾を感じるのであれば、感じるほど、その両立を目指せたら理想的ですが、思い切って、一方を犠牲にすることもあります。
A. 歌にもよりますし、分野にもよりますが、本当に語るように歌うときには、歌のリズムやメロディを外して、その部分を処理する人もいます。何よりもしゃべったり語ったりする感覚で、1オクターブ以上離れた歌を処理したり、速いテンポのリズムにのせたりす…
A. 歌は、日常の話すことに比べて、声域、声量、リズム、メロディ、歌詞と複雑なバランスをとらなくてはならないものとなります。その分、無理がきて、リズムやメロディ、歌詞などに気を取られ、何とか、うまく歌おうとしてしまう人がほとんどです。誰でも…
A. 個性を教えるというのも難しいと思うのですが、それはキャラとしての演じ分けだと思います。器用にいろんなものを演じられるということと、その人独自の強みがあるということは、必ずしも一致しません。ともかくも、ありったけの個性の表現をしまくって…
A. あなた自身の個性というのと、歌に表れる個性というのをどのように捉えるかは、なかなか難しい問題です。シンプルにいうのであれば、思いっきり身体全体で大きな声でしっかりと表現することをしてみましょう。すると、何かしらあなたらしさが出ると思い…
A. 鼻声は、口よりも鼻のほうに抜けていく声、鼻のほうに息が通った声です。鼻づまりの声は、鼻が詰まってますから、全く抜けません。どちらもよくありませんが、まだ鼻にかかった声の方が歌ではよく使われています。特に日本の昭和前期の頃の歌謡曲です。…
A. アーンと声を出してみると、口腔から鼻腔へ息が流れ、鼻のほうに響くのがわかると思います。これは口蓋帆が下がって、鼻腔のほうに声が通るからです。鼻音となります。 鼻母音は、口を閉じずに、両方から出すところです。鼻をつまんでも出せなくてはなり…
A.そんなことはありません。言葉があることによって、楽器と違うメリットがあるのですが、音楽として考えるなら、言葉がない方が多いわけです。歌の中でも、シャウトやスキャットなど言葉がついていない表現もあります。実際に外国語で歌われたり、日本語の…
A.もし伝わらないと思うのであれば、なぜそう思うのかを考えてみてください。そしてあなたが伝わると思う歌い手は、なぜ伝わるのかを考えてみます。その違い、自分には何がないのか、何が足らないのか、その人には何があるのか、どうして、それがあるのかを…
A. これはよく使われるイメージ言語です。頭の後ろからとかいう人もいます。要は、口先などをイメージすると、喉に力が入りやすいということもあります、声自体が飛んでいくような空間を広くイメージすることによって、豊かな声の感じが出てくるでしょう。…
A.キャッチボールをするときに、相手の胸元に投げるようにとはいわれませんでしたか。ただ投げていると、いろんなところにボールが行きます。コントロールということがあやふやになってしまうのです。人間ですから、なんとなく行うと、あやふやになってきま…
A. それがあまりできていないのか、それをより完全に仕上げていくことによって、次のステップに進むというようなプロセスだからではないでしょうか。 指導者によっていろんな考え方があるので、そこは何とも言えません。 極端な話、本当にレガートがきちん…
A.それを判断する人の理想に反しているということだと思います。この場合、足らないということがほとんどであって、間違いとは言えないと思います。 ただ発声の場合ですと、どう考えても歌うのに、不利な方向に、声を出していることがあります。本人がその方…
A.何を間違いというのかが、とても難しい分野です。呼吸を間違えることは、人間の場合、死んでしまうわけですからありえません。また、歌とかせりふだからといって、すごく特別なやり方をするわけではありません。むしろ、私たちの普段の日常生活以上に使う…
A.目的や指導の方法、本人の価値観や自覚、そして何よりも教え方というところで、さまざまな先生がいます。この研究所では、半分の先生は、発声の見本を見せますが、あとの半分の先生は、あまりそういうことはしません。もちろん、必要に応じて、行うことが…
A. 横隔膜は、吸気の時に働く筋肉ですから、これをゆっくりとコントロールすることで、声を出したり歌ったりするというよりは、自然と上がっていく、戻っていくわけです。それにあまり影響されないように呼吸をコントロールすると思ってください。お腹の支…
A.肺に空気が入ってくると、横隔膜が下がるのは確かですが、肺自体が動いて横隔膜が下がるというよりは、横隔膜が下がることによって、肺に空気が入ってくると理解してください。もちろん、横隔膜をほとんど使わないで、肺に空気を入れることもできるます。…