発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

01.姿勢/フォーム/体

Q.表情筋を鍛えると、声質がよくなるのでしょうか。

A. 直接、そのようなことにはなりません。しかし、表情筋を柔らかくしておくと、身体の中の運動と同じで、声を使いやすくなり、歌いやすくもなるでしょう。表現力として、表情も見られているのですから、伝わりやすくなるのです。

Q.腹筋運動はヴォイストレーニングに必要ですか。

A. お腹が割れるほどの筋トレは必要ないというのが私の見解です。イタリアの現役歌手達に話した際、呼吸のトレーニングなども含めて身体が固まる運動はやりすぎないとしている人たちの方が多かったのがとても印象的でした。しかしトレーニングをしないわけ…

Q.喉頭は発声をするためにあるのでしょうか。

A. 喉頭には3つの働きがあります。気道の最上部にあり、声帯という開閉する弁を持っています。役割の1つは呼吸、もう一つは飲食のときに、閉めて、それが気道に入るのを防ぎます。声帯の振動で声をつくるのは、第3の働きです。

Q.喉頭のなかにある筋肉の働きについて知りたいです。

A. 喉頭のなかにあって、その軟骨についている筋肉は5つあります。声帯の開閉や調整によって声の高さや大きさなどを変えます。 輪状甲状筋は、声帯を長くします。甲状披裂筋は声帯を短くして緊張させます。 後輪状披裂筋は声門を開いて外転させ、外側輪状披…

Q. 前のめりの猫背の姿勢はよくないということですね。

A. 気が張っていないと、背中が丸まって、身体全体が前に傾いていきます。前のめりになったり猫背になるわけです。腰にかかるストレスも増えます。

Q.顎が前に出るといわれましたが、よくないのでしょうか。

A. これは発声だけでなく、生きていくためにもよくありません。ヘッドフォワードポスチャーHFPです。このことによって、首から肩にかけて凝りが出て、偏頭痛が出たり、心身症になることもあります。

Q.欧米人は、正面の顔でなく、横顔で判断できると聞きましたが、本当でしょうか。☆

A. 英語のprofilは横顔を表します。日本語の横顔というのと同じく、実像、特徴をも意味します。ヨーロッパ人は鼻が高く頬が引っ込んでいるので、横から見ても、誰かわかりやすいです。ちなみに、コインの肖像画は、横顔です。日本人を含めたアジア人では、…

Q.日本の食べ物はなぜあんなに柔らかいのでしょう。

A. 欧米では、サラダの野菜も硬く、肉も赤身が多く、パンはグルテンが多く、チーズやハムまで挟み込んでいるため、食いちぎって歯ごたえのあるものです。顎の筋肉が疲れるほどです。それに比べたら、日本の食べ物は、皆、病院食のように柔らかいです。柔ら…

Q.人の喉頭の位置が下がったのはなぜでしょう。☆

A. ニ足歩行の姿勢の発達と咀嚼器官の退縮と考えられています。歯列が小さくなって後ろに下がり、脊柱頸部が直立して頭の真下に位置するようになったことで、その間の咽頭上部が狭くなります。喉頭は頸のなかほどまで下がらざるをえなくなるのです。そうい…

Q.唇の大きさが人種によって違うのはどうしてでしょうか。

A. 唇の持つ役割として、セックスアピールがあります。肌が白いと、小さくとも唇は目立ちますが、肌が黒いと、目立ちにくくなるので、大きくなったと考えられています。寒いところでは、皮下脂肪がなく、寒さに弱い唇は、小さくなったとみられます。

Q.オトガイとはなんですか。

A. オトガイは、頤と書きます。訓読みで、音読みでは、イです。本来は、食べさせて養うことですが、身体の名称としては、下顎の先の突出した部分を指します。顎の先です。ホモサピエンスの特徴です。幅は、男性が広く、女性は狭いです。

Q.なぜ涙が溢れるときがあるのでしょうか。

A. 生理的には、涙は眼球の潤滑作用と殺菌作用です。感情が高ぶって涙がたくさん出るのは、自律神経の統御ミスが、人間関係での緊張緩和や生存に有利になることで使われるようになったのでしょう。溢れ出るときは、歌にあるように、上を向いたら、涙小管と…

Q.くしゃみはどうして目をつぶるのでしょう。

A. くしゃみは、元々は、鼻腔の鼻汁や異物を吹き飛ばすために、行うものですから、本当は口を開けて、くしゃみをしては、役割を果たしません。結局、鼻紙で鼻をかむようにしています。動物や赤ん坊は、正しく、くしゃみをしています。強い呼気が必要なので…

Q.鼻の穴が下を向いているのはどうしてですか。

A. 鼻の穴が下を向いているから、呼気も吸気も鼻腔の上部まで達することができます。呼気で、狭い鼻腔上中部にも充分な熱と湿気を与えられます。そのおかげで、吸気時に、温めて湿り気を与えられるのです。鼻毛も人特有のものらしいです。

Q.ストレッチで見落としがちな部分はどこですか。

A.肩甲骨の周辺や、広背筋、脇や肘などの筋肉が使われていません。使わないと、筋硬直を起こし、これは、血液循環量の低下によるうっ血状態ですから、凝りで疲れが出るわけです。ですから、ほぐしておくとよいでしょう。

Q.歩き方についてチェックしてください。☆

A.出す方の足は、かかとから着地します。少し肘を振りながら歩き始めます。反対側の骨盤を少し前に出して、体重をその足のかかとの外側に乗せて進んでいきます。足先は上げます。 地面の上をずらすような歩き方はしないことです。両肘は体の先から前に出しま…

Q.なぜストレッチをしなくてはならないのでしょうか。

A.しなくてはならないということではないのですが、身体の動きなどに不自由を感じるのであれば、そういったことで行った方がよいということです。もともと4足歩行の動物だった人間は、もっと柔軟に、あらゆる筋力を使っていたわけです。特に腰から上について…

Q.歩き方のチェックをしてください。☆

A. かかとがまずしっかりとついていますか。つま先で床を蹴っていますか。身体の上下動や重心の左右移動が適切に行われていますか。腕を振っていますか。歩幅が広いですか。 足幅もそれなりに広い方がよいでしょう。つまずいたり、すぐに疲れるのは、よくあ…

Q.重心が前に偏りやすいので、発声のときは意識的に後ろ重心にしています。

A. 前重心になりやすいという癖を認識しているのはよいことですが、ただ単に後ろ重心にしたら解決するというわけではありません。実際、歌うときに支える部分は身体の後ろ側ではありますが、足裏がバランスよく地面につき、安定して立っているときに本来の…

Q.よくうなだれているようだと言われます。

A. うなだれているような姿勢では、感情にも影響が与えられ、元気がなくなって落ち込んでいきます。また、ストレートネックにもなるので、頭の重さが頸椎にかかり、肩こりや頭痛の原因にもなりますので、どんなときもまっすぐに、頭を支えるようにしましょ…

Q.右手と左手との違いによって、やる気は変わりますか。

A. ある説によりますと、身体の右半分の刺激は左脳に入ります。左脳はやる気を出し、行動を生み出すのに活動します。右脳は、不安や、恐怖、悲しみなど行動を抑えます。ということは右手を動かす方がよいということです。

Q. 人間が動物に優れている動物的な要素は何でしょう。

A. 直立歩行によって歩けるようになりましたが、走るだけでは動物にかないません。人は、長く走れるわけです。そのために毛をなくして汗をかいて熱を発散し、体温を上がらなくしました。歩いたり、走ったりする能力が、しかもそれが持続できることが、動物…

Q.心は内臓にあるというのはどうしてでしょう。

A. 心が内臓にあると言ったのは、解剖学者の三木成夫です。この内臓というのは、唇から、肛門まで、また、心臓、血管、尿管など全てを含みます。そうしたところの感覚が、心の動きとして現れます。また、五感からの刺激が、内臓に伝わって、心を動かすこと…

Q.いつも体温が低いのですが、健康によくありませんか。☆

A. 文明が進むにつれ、体温は低下しているようです。37度くらいまでの範囲では、体温の高い人ほど健康だと言われています。レタスを50度のお湯に入れてシャキシャキというのをテレビで見たこともあるでしょう。熱ショック、タンパク質が細胞にあるからです…

Q.身体の声を聞くというわかりやすい例を挙げてください。

A. お腹が鳴るということがあります。これはとてもわかりやすい例だと思います。私たちは、頭で考えて、1日3食、食べる時間を決めて食べています。その前にどのぐらい食べたかとか、運動をどのぐらいしたかと関係なく、大体、同じ時間に、同じ量を食べるわ…

Q.お腹がすいたときに、頭が冴えるのは、本能の力でしょうか。

A. もちろん、お腹がいっぱいになると眠くなり、頭はぼんやりとすることは誰もが体験していると思います。その逆の状態です。お腹がすいたままであると飢えて死んでしまうわけですから、そこには、生きるための危機感が働くわけです。つまり、五感が鋭くな…

Q.身体のネガティブな感覚が、どうすればポジティブになるのでしょう。

A.五感を鋭くするということは、当然、痛みに対しても、物事に対する勘などに関しても、鋭敏になりますから、生き生きするということは、小さな痛みも感知するということになります。でも、その段階で感知した方が、鈍くて感知できずに、ひどくなってから、…

Q.運動やトレーニングをしなくてはいけないと思っても、長続きしません。

A.徹底して頭で考えて、なぜするのか、なぜやる方がよいのかを明確にしましょう。その日の気分によって、やりたかったり、やりたくなかったりするから、続かないと思います。そういう時は、無理に毎日いつと決めないというのも1つの手だと思います。自分が考…

Q.筋肉に注目して、能力開発をすることができるのでしょう

A.筋肉は呼吸と同じで、自分の意思でコントロールできるものです。自分の手を自由に働かせますから、意志力と強く結びついているわけです。手足を動かしたり、散歩をしたりすると、記憶力もよくなるので、思考力とも関係します。一方で、呼吸と同じように、…

Q.考えることと感じることとどちらが大切でしょう。

A.どちらも大切ですが、そのように思うとしたら、考えることより感じることの方がおろそかになっていると思われます。論理的に考えるような知的な働きも、意欲や、情動がなくては、活性化しません。感じなければ、考える気にもならないということです。