発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2011-01-01から1年間の記事一覧

Q3696.うまくなるためには頭部共鳴を極めるとよいでしょうか。

A.ナチュラルないい声の歌手に共通する点は、決して頭部共鳴をしていても意識が上にないことです。動物や、自然界の生き物の声も同様です。究極の自然とはどういうことかというと、無意識の中で出す声だと思います。もちろん、歌手は発声を意識します。し…

Q3695.高音はたくさん出して鍛えるものですか。

A.高音域の練習は、喉に圧迫感がある状態で練習しないようにしましょう(胸のほうで保持する力は必要です)。喉に圧迫した状態で歌っていると、うまくなるのはおろか、声の成長を後退させていく要因のひとつになります。ファルセットで出す時くらいのリラ…

Q3694.脱力することを意識していますが、発声がうまくいきません。

A.例えば、どういうふうに、力を入れていくかを教える事は、熟達した技を体現できる人にしかできないですが、脱力論は、体現できない人でも言え、都合の良いものでもあると思います。脱力論は、大体にして脱力してはならない肝心な所も弛緩させてしまう為…

Q3693.よい呼吸について教えてください。

A.人が一番自然にできる呼吸はどんなものか考えたことがありますか? それは寝息です。寝息はだれしも横隔膜を使って呼吸していますが、いざ歌うとなれば身体に力が入って、なかなか自然な呼吸ができないのは困ったものです。寝息は横隔膜が収縮し下へ下が…

Q3692.どのような立ち姿勢で歌ったらよいですか。

A.まず、立つ時には重心が前のめりにならず、後ろに反り返らず、頭が上から引っ張りあげられているようにまっすぐ立ちます。(立身中正といいます)よく肩幅に足を開くこともありますが、片足を少し前に出すようにしてみると、より重心が腰の辺りに集まる…

Q3691.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(10)

A.ポピュラーは正しい発声というより、表現したいように自由に歌う場合がほとんどです。正しい発声だからといい歌になるとは限らないジャンルです。 時に歪みのある声やシャウトしたり、様々な声を使います。そういった場合、クラシックの発声練習で培われ…

Q3690.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(9)

A.ほんの一部ですが、ポピュラーを歌うときにも以下のような利点があります。 ・調子が万全ではないとき、緊張でいつも通りに体が反応しないというような場面でも、声楽的な呼吸法、お腹の支え、息の使い方を身につけることで一定以上の安定感をもって歌う…

Q3689.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(8)

A.ポピュラー音楽で求められる声の出し方と、クラシックの声楽で求められる発声とは違います。また、ポピュラー音楽の歌手の中には、発声法云々よりもその個性や情感だけで歌っている人もいますし、人気のある人も多いのも事実です。それが悪いとは思いま…

Q3688.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(7)

A.声楽を学ぶ1番のメリットは、息の使い方(呼吸法)をマスターできることです。次に共鳴をマスターすること。声楽とポピュラーではマイクを使うか否かの違いはありますが、基本的に声を共鳴させる場所は同じでなければなりません。ポピュラーは声楽に比…

Q3687.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(6)

A.何といっても身体全体を使って歌うことを最大限に活用しなければならない歌い方が声楽です。マイクを使わずにホール全体を響かせる為に、身体全体を高性能なアンプとスピーカーに作り替える為の練習方法が声楽だからです。これが身につけば、ポピュラー…

Q3686.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(5)

A.踊りのバレエが、すべての踊りの基礎と言われているように、やはり、私も、クラシックの発声は、すべての歌の原点だと思います。声楽を学んでおけば、その後、どのような方向に進もうとも、必ず役に立つことがあると思います。 それも私が考えるには、腹…

Q3685.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(4)

A.声楽というジャンルは人種、国籍問わずある一定の評価を受けていますし声の訓練という意味では世界共通といってもよいかもしれません。日本人の声楽家の留学先はイタリア、フランス、ドイツ、ロシア、アメリカ、オーストラリアと多岐にわたっていますし…

Q3684.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(3)

A.基本的な発声法を学ぶことで、自分のお気に入りの声を、出し易くなります。また、そのおかげで、無理な発声をしなくなるので、喉を傷めにくくなります。(♭Ξ)

Q3683.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(2)

A.声楽だから、ポピュラーだから、という枠は考える必要はないと思います。ヴォイストレーニングにおいて大切な事は、物理的にこのように出したら喉の機能を阻害してしまう、という点をなるべく排除するという事だと思います。 声楽でもポピュラーでも、そ…

Q3682.声楽がポピュラーを歌うのに役立つのは。(1)

A.体の使い方は、声楽であってもロックであってもポップスでも同じです。その中でも、声楽では特にボリュームのある声をトレーニングしていきます。体を使って声を出すことや、体をひびかせることを学びます。ですから声楽を学んでおくと、どんな歌にも対…

Q3681.くせづけの必要、情感や心を入れたいので、つっぱったり、かすれたりします。

A.個性はくせでなく、オリジナリティとはいっていますが、くせも個性の一つではあります。つまり、音楽としてはくせは邪魔ですが、人間味、人間性として魅力になりうるのです。それは、その人独自の音色や声のおき方に出ることが多いですね。私はエンター…

Q3680.歌唱テクニックとは、なんでしょうか。

A.私は、その歌い手特有のオリジナルのフレーズとみています。これが役者の歌と区別する大きな見分け方となるものです。大きなフレーズでの中で使われる声質(音色)、これは日本では役者のほうが個性的なのですが、音楽としてそれを最大に活かした、その…

Q3679.構成や展開について詳しく知りたいです。

A.私は次の3つでみています。 1.切りかえて、展開させる(ドラマ性) 2.ピークでの働きかける力と納め方 3.結末、エンディングと余韻での印象 ただ、アーティストの売り、勝負どころはそれぞれに異なります。全体の捉え方も、一点で勝負するタイプ…

Q3678.歌うときの緊張と弛緩バランスをどうコントロールすればよいですか。

A.これはメンタルトレーニングのことなので、専門書をヒントにしてください。(rf)

Q3677.歌のサビの音をはずさず盛り上げ、高音をしっかり歌うためにどういうトレーニングが必要ですか。

A.歌のメリハリを発声からだけ取り出してみると、 1.ロングトーン 2.クレッシェンド 3.デクレッシェンド 4.1~3の組み合わせ となります。ここに、音色(トーン)や、発声の仕方、さらに地声、裏声などを考えると、いろんなパターンのトレーニン…

Q3676.プロ歌手のようにやさしく伝わるように歌えません。どんなトレーニングが必要ですか。

A.これは結構、答えにくい問題です。多くの人は、その歌手のキー(高音)で合わせようとします。まずそれが合っていないと、かなり遠回りになるので、自分の歌いやすい声域にしてください。あとは小さな声で「使う声域」をていねいにカバーすることと、そ…

Q3675.息や声の深さを自分で聞けるという目安はありますか。

A.お一人ではどうでしょうか。身体が動くようになってきたら、一体感があること、息だけや声だけなら、私やトレーナーと、どれかのトレーニングや息や声を出し合って比べるのも悪くはないのですが、人と競うものではありません。過去の自分よりも力がつい…

Q3674.トレーナーの声のようになりません。

A.まずトレーナーの声になってはいけません。貴方らしい声を出していってください。 トレーナーの声はこれまでならってきた各自の先生と経験と持ち物(声、体)で違うものです。自分のような声になってほしいと思ったことは一度もありません。むしろなって…

Q3673.コンコーネがうまく歌えません。

A.まず暗譜できるまで歌いこみましょう。楽譜を見なくても歌えるとこまでになってからでないと話になりません。コンコーネを初めて歌ったのは15年前ですが今みてもとても大変なエチュードだなと思います。そんな簡単に歌える本ではないのです。 それが大前…

Q3672.台詞を読むときに声が小さいといわれます。どうしたらよいですか?

A.様々なパターンの問題がありえるので一概に言えないのですが地声を鍛えることをお勧めいたします。鼻にかかったり声が奥まってしまう方はとくにお勧めします。 まずは胸の響きを大事にトレーニングしましょう。声楽家がレッスンをすると鼻腔共鳴ばかりに…

Q3671.身体を鍛えた方がよいでしょうか。

A.ふと気付くことは、発声法のテクニックを伝えようとしても、どうしてもついてこれない生徒さんもいらっしゃいます。それは、レッスン中に少しでも良い声を出せるように頑張ろうと思う「気持ち」があっても、「体力」がついてこない生徒さんです。ある程…

Q3670.あくびの形は、何が不十分なのでしょうか。

A.最高音を発声する時は、声が口蓋垂(喉チンコ)に刺さるような押し上げるような感覚があり、その時に初めてあくびの形になります。ちなみに、私はあくびの形を全否定しているわけではありません。ただ感覚的に、複雑なので、何とも言いにくいのですが、…

Q3669.高音域を後ろに傾けることを教えてください。

A.高音域も声を前に出そうと、眉間辺りに集めようとしている人が意外に多いと思われます。確かに前へ出そうとする力もありますが、結果として高音域は後ろに感じます。うなじが光る声 などとも表現します。音響生理学的には、高音域になるに従い、声のビー…

Q3668.そば鳴り声はどこが悪いのでしょうか。

A.咽頭壁広げ、脱力して軽く頭に響かせる発声をしている人は、胸や喉を響かせる声が、そば鳴りで遠くに届かない声だと信じているようです。まず、オーケストラを飛び越えて聴こえる声は、男声では3000Hz女声では4000Hzのフォルマントを多く含む声です。こ…

Q3667.レッスンの後すごく疲れますが、よいことですか。

A.声が立派になってきたレッスン生が皆体験する事があります。それは、疲労です。特に 逃げの無い声を出していると、視神経が疲れ、全身の疲労に繋がります。初めて深く強い声を出した生徒は「レッスンの時は感じなかったけど、帰ってからドッと疲れた!」…