発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Q3472.i eの母音が苦手です。

A.母音について色々な説も多く、言語によっても発音の仕方が多少異なっていくのですが、ここではイタリア語のi、eに絞って考えておこうと思います。日本人に特に多く見られてしまうのが、唇をはっきり動かして、母音を変える、といったことです。ですが、…

Q3471.鼻に声を響かせた方がよいでしょうか。

A.よく、鼻腔共鳴を得ようとして、鼻声になってしまっている人を見かけます。確かに、やわらかく、自然な響きの声は、口蓋垂の所の鼻の入口が多少開いていますが、決して鼻声には聴こえないです。鼻声になると、自然な響きの声、自然なニュアンスの声では…

Q3470.発声時に喉を下げたほうがいいのでしょうか。

A.発声時に喉が上がる癖があるひとは多く見受けられますが、喉を意識して下げようと思うことは百害あって一利なしだと思います。喉のいい状態は、呼吸器官が機能的に働くことによって自然とよい状態に整うものです。一時的に深みのある響きを出せるときが…

Q3469.軟口蓋は上げたほうがよいのでしょうか。

A.よい声の感覚を他のもので例えると、ハンドベルまたはお寺の鐘の音です。声のサイズ的には、ソプラノの一番高い人はハンドベル、バスの一番低い人はお寺の鐘のような音を感じられると、余計な力を使わずに音が遠くに運ばれるような感覚になると思います…

Q3468.調子が悪く、声が喉に詰まってどうしようもない時のアドバイスを教えてください。

A.声が響き、力みがなく遠くへ飛んでいるときは、自分の身長がいつもよりも高く感じると思います。特に、高音域では響きの場所が頭頂部でも感じられます。そして、より支えを下の方で感じられるものです。この自分の身長が大きく感じられるようなスケール…

Q3467.声門は自分で閉めようと思ったほうがいいでしょうか。

A.必要以上に声門を閉めようと力をいれすぎると、喉は過緊張状態になります。このような状態で発声している人はとても多く、いわゆる喉声とはこの状態の声だともいえます。声門は、勝手に閉じるのを待つ、というくらいの気持ちで「薄く」扱うよう心がけま…

Q3466.声質に恵まれている人が注意することはありますか。

A.元々、よい声を持っている人は、それだけで、ある程度の賞賛を浴びるし、声を出すことに苦労を感じないものです。しかし、声のよい人は、自分の声に酔ってしまうという落とし穴もあります。自分の声を耳で追ってしまい、ついつい、歌い手であるにも拘わ…

Q3465.声楽の発声についてと、その注意点について教えてください。

A.声楽の発声法で大事なのは、支え(アッポッジョ)と響き(ティンブロ)と息の上に声を乗せること(スルフィアート)だとよく言われます。響きに関しては、響きをつけようとは決して考えないことが大切です。よい発声で声を出したら、自然とよい場所に響…

Q3464.声を深く出そうとすると、逆に喉につまってしまいます。

A.声を深く出そうとすることが良い方向にいく人と、声を深く出そうとすることが悪い方向にいく人の二種類があります。後者の人は、響きのポジションが落ち、どんどん喉につまった発声になっていきます。そして、後者の人の声の特徴は、口の中にこもったモ…

Q3463.声が力ずくになってきた場合どのように考えればよいでしょうか。

A.声は力でなくバランスで出す、とはよく言うものですが、力ではなくバランスで声を扱えるようになると、力みというものは自然となくなると思います。また、バランスで出すための声の状態に近いところにありながら、力みが邪魔をして声が自由にならないの…

Q3462.喉の力はどうやったらぬけますか。

A.喉の力を抜くことは、過度に喉を緊張させて発声する習慣がついている人にとってはとても難しいものです。喉の筋肉は無数にあり、複雑な関連性をもって運動しています。精神的ストレスなどで、喉を緊張させようと思わなかったとしても(無意識にも)緊張…

Q3461.顎の噛み合わせが悪くなると、発声に影響しますか。

A.顎のかみ合わせと発声は、とても関わっていると思います。以前、骨盤のゆがみによって発声に与える影響について述べましたが、顎のかみ合わせがズレることによって子音が発音しづらくなるばかりか、発声が喉につまりやすくなるということもあります。顎…

Q3460.顎のエクササイズはなにかありますか。

A.顎のかみ合わせが悪くなったと思ったら、以下のエクササイズなどを毎日行なってみてください。 エクササイズ例1 1.軽く上下の歯を噛み合せたら、口をやや横に開きます。上下の犬歯(糸切り歯)が、きちんとあたっているかを鏡で確認してください。 2…

Q3459.よい発声のときの喉は具体的にどのような状態ですか。

A.声帯靭帯がたるんでいると、きれいな(安定した)振動は起こりません。安定した振動を得るには、声帯靭帯にある程度以上の張りを持たせる必要があります。声帯靭帯自体を動かすことはできませんが、ゴムを両端から引っ張るような運動で伸展させることが…

Q3458.オペラの発声はみんな同じでしょうか。

A.オペラは時代によって発声法が変わっていったということはご存知でしょうか。作曲家の作品がロマン派から自然主義派(ヴェリズモという)へ移行していく時、それまでの甘美な発声法から、より強い声が求められる発声法へと移り変わっていきました。最初…

Q3457.声をコントロールするとはどういうことでしょうか。

A.支えとは、呼気に対して、それとは逆にとどめておこうとする力のことをさします。支えは、呼気時ももちろん、吸気時にも必要なことです。声を出すときだけでなく、「支えて声を出し、支えて息を吸う」ということを忘れないようにしましょう。特に、息を…

Q3456.息の吸い方についてアドバイスをください。

A.息を深く取り入れることができないと、声は前傾してしまい支えを失ってしまいます。息を吸うときは胸郭を開いた状態をキープしたまま横隔膜を下に膨らませるような感じで息を吸い下ろしましょう。ゆっくりと息を吸い、はじめは4段階で息を入れていく練…

Q3455.レッスンでは、もっと事細かに教えてほしいのですが。

A.その場で事細かに教えて、その場で吸収できてしまえばよいのですが、なかなかそうはいきません。身につけるためには時間がかかるのです。ですから、もちろん事細かに説明することもあるのですが、できるだけ頭ではなくて、体が覚えていってくれるように…

Q3454.歌やセリフのレッスンをして、自分の考え方や性格を変えることはできるのでしょうか?

A.感情表現をする前に、感情開放ということをします。これは演技をする前に行なわれるプログラムです。自分の心をまっさらにして、演技をする際の邪念(羞恥心や自己限定、自己疑念)を取り払うトレーニングです。 これは自分の考えや主張がなくなってしま…

Q3453.洋画のアフレコの練習をする際のアドバイスを教えてください。

A.まず自分が決めたシーンを何回も見ましょう。ストーリーや人間関係を把握します。またその場面だけでは把握できないのであれば、作品全体を一度見ておくことも必要でしょう。流れが把握できたら、日本語のセリフを書き出しましょう。そして自分で台本を…

Q3452.声優やナレーターを目指しているのに、なぜ舞台で演じることをやらなければいけないのでしょうか?

A.多くの養成所では、声優やナレーターを目指しているにも関わらず、半年に1回、もしくは1年に1回、舞台を経験するようなカリキュラムにしている学校が多いように思います。 では、なぜ舞台を経験することが必要なのか?簡単に言ってしまえば、舞台では…

Q3451.声楽の発声を学んでいるのですが、ナレーション時にどう活かしたらよいかわかりません。

A.まず「セリフと歌」の関係ですが、「ことばと歌」と言い換えてもよいかもしれませんが、別物ではありません。しかし同じかと言ったらまた違うのです。別物ではありますが、声を使っている時点で、自分自身の声であり、声を出す際の体の使い方は同じにな…

Q3450.司会の仕事におけるアドバイスを教えてください。

A.司会といっても、TV番組の司会、講演会等の司会、結婚式の司会等々、いろいろな司会があると思うのですが、まず冷静さが必要です。もちろん台本があると思うのですが、現場では何が起こるかわかりません。その場その場に応じて、冷静に対処して、うま…

Q3449.最近テレビ等のナレーションでは、ナレーターではなく俳優の方がナレーションしていることが多いと思うのですが、時々ことばが聞き取れないことがあります。ナレーションはどうあるべきなのでしょうか?

A.最近は個性的な俳優のナレーションが多いですね。単に正確にことばや内容が伝わればよいということだけではなく、内容に則した個性的な声が求められているようです。しかし個性的だからといってナレーションの技術がいらないのかと言ったらそうではあり…

Q3448.オーディションは「試験」「審査」だと思って緊張してしまいます。もっとよいとらえ方はないのでしょうか?

A.オーディションは誰しも緊張してしまいます。しかし緊張することが当たり前なのです。ですから緊張したうえで、ではどのようにオーディションに臨んでいけばよいのかを考えていけばよいのです。 まずはお客さんの前だと思って楽しむことが大事です。審査…

Q3447.なぜ基本や基礎が大事なのでしょうか?早く応用にいきたいのですが。

A.基本はとても大切です。たとえばセリフをしゃべるときには、気持ちを込めて感情豊かにしゃべっていきますが、リアルな気持ち作りをしたり、声自体の発声を鍛えておく基礎というものはとても大事なのです。この基礎の部分がないのであれば、プロとアマチ…

Q3446.トレーニングのマンネリを防ぐにはどうしたらよいでしょうか?

A.トレーニングは、ほぼ同じことを何度も反復練習することが基本なので、マンネリになることは仕方がないことではあるのですが、その中でもマンネリを防ぐ方法を考えてみましょう。 たとえば発声練習にしても、毎回同じスケール(メロディ)ではなくて、違…

Q3445.冬の対策について教えてください。

A.今年の冬は例年になく寒い日が多い上に雨も降らないので乾燥続きという歌い手にとってはとても辛い気候になってしまいました。私の家には加湿器を取り付けていますが主に寝るときに加湿器を利用しています。(声の調子が悪いときは食事中やテレビを見て…

Q3444.太っている方が歌いやすいのか?

A.これは決して断言できるものでもありませんし脂肪が声を響かせるといった話も聞いたことはありません。むしろ不健康な太り方をしていて良い声が出てくるとは決して思えません。しかしある程度の体と体重があったほうがよいとは思います。痩せすぎはよく…

Q3443.花粉症対策についてアドバイスしていただけますか?

A.今や広く知れわたっている花粉症ですが、死にいたる病ではないためか、なかなかその根本的な治療法が確立されないまま、またその代表的な存在である杉花粉の飛散時期を、今年もむかえています。声を仕事に使う人々にとって、これほどやっかいな病気はな…