25.ブレスヴォイストレーニング研究所と専属トレーナー
A. 声楽家と一緒にやっていますが、オペラ歌手をつくりたくてやっているわけではありません。皆が、オペラ歌手をめざすこともよいことだと思っておりません。あくまで声の勉強としてのことです。オペラ歌手並みに声が使えるところまで、プロセスをおいて、…
A. それはたくさんの優れた歌を聞いていて、その中から何が違うのかを取り入れているからです。また、実際のレッスンの経験からいうと、100人ぐらいが同じ歌を順に歌ったとき、集中して聞けるのは、最初の10人ぐらいですが、その後、集中して聞けたら、かな…
A.目的や指導の方法、本人の価値観や自覚、そして何よりも教え方というところで、さまざまな先生がいます。この研究所では、半分の先生は、発声の見本を見せますが、あとの半分の先生は、あまりそういうことはしません。もちろん、必要に応じて、行うことが…
A. 何もないよりは、点や線というのは、イメージで、なんとなく実感をつかんだ方がコントロールしやすくなります。身体の軸というのは、頭から下に降りているような直線のことです。どういう動きも、そこが中心となります。声の軸は、それになぞらえ、横に…
A.ありとあらゆるメニュがありますが、その大半は私は知っています。そのなかには、日常の健康改善に役立つ、その結果、声もよくなるのも少なくありません。メニュや方法として間違いとはいえないが、特別なものでもないレベルのが大半です。 メニュからトレ…
A.私のところでは、トレーナーは教えるというよりは、サポートする、支える役割と考えています。効果というのを具体的に目的として掲げていくことにも慎重です。 あまり教えようとか何とかして効果を出そうと考えると、目先に走りがちになるからです。周りの…
A.レッスン内容を変えるのか、先生を変えるのか、その生徒の考えを変えます。
A.短期的に混乱することもありますが、ヴォイトレは相互に関係しあっています。先生方も自分のやり方だけに固執せず、疑問をもちながらやる方がよいこともあると思います。
A.この20年くらいでは、 ・声区(レジスター)と胸声、頭声の関係、音色は胸や頭(腔)での共鳴であるといわれていたことの否定、仮声帯で裏声を出すのでないことなど ・ミックスヴォイスほか、いろんな声の分類の細分化 ・声帯の振動、発声、共鳴の可視化…
A.別の面から話をしましょう。 欧米のバイオリンという楽器は、実に多くのすぐれた演奏家や技術者(製作者)によって、高度に完成されてきました。家が買えるほどの高価なストラリバリウスの音を、「今の技術者でも超えることはできない」ともいうし、性…
A.声については、私の研究所でさえ、声紋分析の器材を使っている今、ここ20年の音声科学の発展はほとんど天文学や物理学、医学でいうと、天体望遠鏡や顕微鏡が出てきて、現実に目で確認できるようになったくらいの革新的なものといえるでしょう。 書籍でも…
A.私は、多くのポップスのシンガーに接しているので、共鳴やシャウトの中にも、一つの芯(あるいは線)を捉えるような感覚で判断しています。デッサンの線をひものようによじって細く鋭くしつつ、ハスキーやため息のように、解くことも許容するのです。こ…
A.初期の条件の獲得のための声づくり、発声とその歌唱のための共鳴とは、次元の違う問題ということです。登山で勝負しようというときは、もし私が平地しか歩いておらず、それゆえ10階まで階段を歩いたら足がつったり、翌日痛くなったからといって、それは…
A.私は日本で唯一、声づくりがしぜんにうまくいっているともいえるお坊さんを見る度に、高い声や発音や音階、リズム、歌詞、共鳴などに関わる前に、自分のもっとも出せる音の高さ、発音、共鳴で自分の呼吸に合わせて声を出して、しぜんに使えるだけの声に…
A.私は練習曲に、外国曲や演歌、歌謡曲まで使わせていますが、今のJ-POPの曲を声のベースづくりとしては使っていません。 歌が詞と曲と声の総合的な組み合わせの妙で成立しているJ-POPの曲は、手本や見本にしにくいということです。曲、詞、歌唱…
A.一方に軍配を上げるわけにはいきませんが、その違いが何で生じるのかをあなたに伝えます。二人の判断が矛盾していてもいいのです。確かな実績があって人を育てている、そのやり方や価値観を持つトレーナーの一人がそのような判断をしたことを事実として…
A.私は、トレーナーをプロデュースする立場ですから、その人にどのトレーナーが向いているかから判断します。その結果も、そのトレーナーより客観視できます。距離のある分、よりよくみえるわけです。 これは、トレーナー自身が見本をみせるのではなく、チ…
A.私の立場は、私個人の好嫌を離れた無私です。多くの一流アーティストの感覚やすぐれた何人ものトレーナーの感覚を学んで、鏡となるのです。 プロの歌い手が人を育てられないのは、自分の作品世界=好みからみるからです。それを離れることができても、自…
A.私はここのヴォイストレーニングをクラッシックバレエの基礎トレーニングに例えています。バレリーナにならなくても、踊る人なら誰でも踊るための体の管理と条件づくりが必要です。それを、「もっとも過酷な舞台での体や感覚の条件を強いられるバレエの…
A.反発させ、新しいムーブメントをつくる基盤にしようと思ったのです。アーティストを育てる場でグループというのは、仲間同士の研鑽の場です。プロの歌唱や芸を聞かせるだけでなく、それを通じて、バーチャルに一流のアーティストが何人かあたかもそこに…
A.歌やせりふの前に腹から声が出ていない日本人の日常の声レベルを、大きな声、長時間でもかれない声にすること。一言でいうと、それは「ワー」という一声を、日本人を超えたレベルで通用させられるようにしようということです。これこそがブレスヴォイス…
A.日本のオペラ歌手(声楽家)には関西で手伝ってもらい、東京でも1990年代からトレーナーとして採用していきました。今、声楽家を主力としている理由は、むしろ、J-POPに対応することにおいて有効だからです。声楽を学んだ人の方が、ポピュラー…
A.研究所をつくってからは、グループレッスン中心にしました。人数制限をしたくないのと同時に、役者の養成所のシステムから学んだことが多かったからです。トレーナーから学ぶよりも、新しい時代には、仲間たちの相互啓発の方が得ることが大きいと考えま…
A.私は、発声のすべてを統一できるような定義ができ、協会や資格のようなものができることをどこかで望んでいましたが、今は、そうならないことをよかれと思っています。定義なくして共同の研究の発展もないし、人材の育成も難しいということは、嫌という…
A.最近、ここでは、いろんなヴォイストレーニングが行なわれるようになり、そのためにいろんな混乱や誤解も起きています。以前は、私の本を読み、最初にここでヴォイストレーニングとめぐり合う人がほとんどでしたが、他のところを経てからいらっしゃる方…
A.私は、ヴォイストレーニングは、声で何かの目的を遂げるための補助的手段と考えています。ヴォイストレーニングが、さまざまな状況において行なわれているからには、ある程度、「ヴォイストレーニング」とは何か、どういう意味において、なにをどうする…
A.私のところのトレーナーには、次のような観点を与えています。 a 自ら(トレーナー)の声やその成長プロセスのすべてを理想とし、絶対的な肯定をしないこと b 全く違うのどやタイプに対しての、自分の方法の限界を知り、他の方法や他のトレーナーにも可…
A.日本人のヴォーカルの声はしだいに浅く、小さく生声になり、かつてのように、話す声、地の声でプロとわからなく、素人レベルになりつつあります。その第一の原因は、誰もが無理にハイトーンへ音域を伸ばしてきたからです。そういう要求に、すぐに対応し…
A.基礎中の基礎づくりの教材としては、1.発声High/Low 2.リズムトレーニング 3.音程トレーニングポップスなら「カンツォーネ名曲選」「日本の歌120選」(ドレミ楽譜出版)(♭)
A.これも方法やトレーナーと同じく、あなたが何を目的に自分をどう変えていきたいかによります。自分にあるものを生かす、自分にないものを取り入れる、そういったことに役立てるにも、それぞれに段階も目的、レベルによっても異なります。まず、自分の実…