発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.喉頭を下げて胸に響きを感じて歌うよう言われました。

A.喉頭を下げる筋肉は、胸の真ん中あたりまで伸びています。甲状軟骨から、肋骨の上から3本目までその筋肉が走っています。昔の先生たちは、「胸に手を当てて」とか、「胸の響きを感じて」と指導をすることがよくありました。実はこのように喉を引き下げて…

Q.曲を練習するときは、どのような点に注意すればよいでしょうか。

A.カラオケなどで歌う曲を自宅で練習するときに、アーティストが歌っている声が入った音源で練習される人がいらっしゃるかもしれません。アーティストの歌と合わせて自分も歌うということは、ときにはそれっぽくなる場合もありますが、そのアーティストと声…

Q.他人と比較しすぎないようにするには、どうしたらよいでしょうか。

A. ライバルの多いなかで頑張っている人は、どうしても「他人より優れた状態でありたい」「他人よりもよい評価をもらいたい」という気持ちが高くなるのかもしれません。もちろん競争意識は大切なことだと思います。「ライバル」や「コンペティター」の存在…

Q.力んでしまったときに耳を塞ぐと歌いやすくなるのはなぜですか。

A. 大きな理由としては、耳を塞ぐことで聞こえ方のバランスが変わるからだと思います。私たちは自分の声を聞くとき、骨に響いた声を内耳で、外に出た声を外耳でそれぞれ聞き、両方が合わさったものを自分の声として聞いています。内耳・外耳の聞こえ方のバ…

Q.ヴォイストレーニングは、筋トレととらえてよいですか。☆

A. ヴォイストレーニングは、その名前の通りでは、声のトレーニングというのですから、筋肉トレーニングも含まれていると思うのはよいかもしれません。 ただ、筋トレの場合は、筋肉の強化のための負荷トレーニングそのものを指します。 声のトレーニングで…

Q.歌をもっと音楽的に解釈を込めて歌いたいと思います。

A. 自分なりに最もよいと思うテンポを曲によって追求してみるとよいでしょう。もちろん、優れた作曲家が指定しているのですから、最終的にはその方が意図に合っているでしょう。でも聞く方としては自由だと思います。そうしているうちに、テンポ感などに鋭…

Q.声や音の感覚を鋭くしながら練習したいのですが、よい方法はありますか。

A. 自分でテンポをコントロールできますから、セリフでも歌唱でも、テンポを速くして歌ってみる、遅くして歌ってみるとよいと思います。目安としてテンポを記録してみるとよいでしょう。 まず耳の鍛錬として聞いてみましょう。速くして聞くときとゆっくりで…

Q.私は身体が小さくて、肺活量もあまりありませんが、増やせますか。声や歌に肺活量は、関係あるのでしょうか。

A. 肺活量には個人差がありますが、決定的な要因ではないので、気にする必要はありません。肺活量が大きいにこしたことはありませんが、ないよりはあった方がよいといえるくらいです。肺活量が大きい方が有利な点はあっても、そうでないのに活躍しているヴ…

Q.裏声の方から、発声を学ぶのは有効でしょうか。

A. 高いところから低いところに持ってくるような方法で、発声や共鳴を覚えることは、とても多いと思います。最近、流行の方法でもあり、まだ喉が弱い10代の人には、勧めやすい方法です。合唱やハモネプでもそのようにしているところが多いと思われます。

Q.裏声は高いところでしか使えないのですか。

A. 裏声については、地声では出せないところの高い声に使うことが多いのですが、必ずしも高いところだけではありません。地声と切り替えることで、もっと低いところでも出せないわけではありません。あくびの「ああー」などというのも、裏声が多いのです。

Q.クラシックっぽい発声をまねるのは勉強になりますか。☆

A. クラッシックをまねるときに、口の奥を広げているのを、こもっているようにしたり、上から下に押し下げて音を出すような形にすると、オペラっぽい発声となります。掘った声という人もいます。しかし、似て非なるものです。普通の人から見ると、そういっ…

Q.共鳴というのは、鼻腔共鳴ですか。☆

A. 鼻腔の共鳴が、よく知られていますが、むしろ咽頭の部分で太い声をしっかりと獲得することが必要だと思われます。そのための練習は、こもらせたり、押しつけたりする方に間違えてしまう人が多く、とても難しい部分があります。胸の中心に共鳴を感じると…

Q.パワフルな声を出すためには、どうすればよいでしょう。☆

A. 一言でいうと、共鳴をより利用するということになります。イメージとしては、焦点により鋭く集める、そこから息で増幅させる、声の圧や声の芯というのを感じて、扱えるようにしていくことです。

Q.リップロールやタングトリルは、発音器官を鍛えるのでしょうか。

A. その目的で使うこともありますが、むしろ、喉の力を解放するために使うことが多いです。力みを取るのです。ですから、高音の練習など、力みが入りやすい場合に、よく使われます。

Q.子音の勉強法が知りたいです。☆

A. ハミングのn、mから、リップロール、あるいはタングトリルで tpkなどを出して、そこから子音に入るというのも、よい強化練習になります。国際発音記号を一通り、学んでみるのもよいでしょう。子音の調音法と調音点を覚えてください。

Q.言語聴覚療法とはなんですか。

A. コミュニケーションや飲食に障害を持つ人の、言語、聴覚、摂食の獲得、回復、維持をめざします。その生活の質QOLを高めるのが、狙いです。

Q.子供の特殊コミュニケーション障害は、どう取り組まれていますか。

A. 従来は、特殊教育で取り組まれてきました。知的障害と呼ばれたわけです。聾学校、特殊学級、養護学校、言葉の治療教室などとして整備されてきました。日本では特に、療育と呼んでいます。医療の療と教育の育の造語です。

Q.言語のリハビリテーションは、どのように行うのでしょうか。

A. 医学的リハビリテーションが中心となっています。 普通の治療と違い、いろんな専門家が、チームとなって行うことが普通です。医師、看護師、のほかに、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなどが、言語聴覚士に加わります。

Q.コミュニケーション障害には、どのようなものがありますか。

A. 失語症、言語発達遅滞、脳性麻痺、構音障害、音声障害、聴覚障害、吃音などです。摂食嚥下障害などについては、少なくないと思われます。

Q.言葉の勉強はどこから始めればよいのですか。

A. 言葉の鎖、スピーチチェインと呼ばれる、言葉の伝達の枠組みを通して考えるとわかりやすいと思います。心理的、言語学的、プロセス、生理学的プロセス、音響学的プロセス、社会学的プロセスなどがあります。言語学、心理学、脳神経学、生理学、解剖学、…

Q. 言語療法士や言語治療士とは言わないのでしょうか。

A. 1997年12月に国会で言語聴覚士法が成立しました。スピーチセラピストは、言語聴覚士に統一され、国家試験に合格した者が、名乗ることができることになりました。

Q.自分の声域で歌えない曲は、キーを下げるしかないのでしょうか。

A. 音響の技術を使えばなんとでもなります。ただ、声域というのは、誰でも無限にあるわけではありませんから、高すぎたり低すぎたりすると、質は落ちます。その分、声量を落としたりすると、案外と広げられるものです。

Q.なぜ、カヴァーをするのでしょう。☆

A. その曲が歌いたいからというのが多いと思います。あるいは、自分の才能を、その曲を素材にすると、もっと発揮できる、自分の世界がそこに作れるというようなものを出したいがためという場合もあります。もちろん、ヒット曲だから、歓迎されるということ…

Q.コピーとカヴァーというのは違うのですか。☆

A. コピーというのは、そのままの再現演奏を示します。多分、誰もが最初の練習のときに行っていることです。 カヴァーは、他人の曲を、自分なりの解釈で演奏することです。誰かに聞かせるために行います。

Q.自分で曲や詞を作りたいのですが、どうアプローチすればいいのかよくわかりません。☆

A. とにかく、思った通りに、歌詞を作り、口ずさんで、あるいは口ずさんだもの、ヴォイスメモに入れていきましょう。そうしたストックをいくつも作っていけばよいでしょう。 すると、どこかでワンパターンになり、限界が来ると思います。 それと並行して、…

Q.ヴォーカリストですが、作詞や作曲や楽器も勉強したほうがよいでしょうか。☆

A. なんでも勉強しておくことがよいのは確かです。ただし、まずは歌うことがメイン、その力をつけることだと思います。いろんな歌を聞く中で、詞やメロディを自分なりに変えていくようなことから始めてみるとよいと思います。楽器は、自分の歌から分析しつ…

Q.自分の憧れの1人のヴォーカルを徹底してまねていけばよいでしょうか。☆

A. それに似させることが目的であれば、それがよいということになります。ただ、プロになるとか、歌がうまくなるということが目的では、あまり1人のヴォーカルばかりを聞かない方がよいと思います。その人の歌でも、他の人が歌っているものを聞いたり、その…

Q.シンガーソングライターの曲は、どれも似ているように思うのですが、どうしてでしょう。

A. 同じ人の作品であれば、どこかしら似るのは当然だと思います。いろんなプロの作曲家、作詞家が作ったものであれば、その都度、その組み合わせによってもかなり違ってくるでしょう。それと、その人の制作の仕方が、コードの進行、キーの設定、自分の歌う…

Q.いろんな歌い方ができた方がよいのでしょうか。

A. 何事においても、できないよりはできた方がよいと思います。しかし、何でも器用にできたからといって、本当の実力とは別ということです。一つの作品において、どの程度のできなのかということが問われるからです。ただ、ヴォイストレーニングから考える…

Q.こういうふうに歌えば伝わるというのが、わかりません。

A. こればかりは、なかなか教えにくいというか伝えにくいところです。仮に先生が、このように歌ってごらんというと、そのように歌えたとして、それでおかしいなどということは、なくなりますが、本当に伝わるのかというと、難しいと思います。伝わるのは、…