発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

03.発声

Q.赤ちゃんはなぜ声を壊さないでしょうか。☆

A. 発声やヴォイストレーニングでは、赤ちゃんの泣き声が理想だといわれることがあります。しかし、きれいに共鳴しているわけではありません。個人差があると思いますが、手本になるとすれば、鼻で呼吸していることと腹式呼吸であることです。いわゆる動物…

Q.子供は大きな声を出しても大丈夫なのでしょうか。

A. 子供によります。それまでにどのぐらいの声を出してきたとか、どういう出し方をしているかが関係します。声を壊すこともあります。大きな声で叫んだり、がなるように歌うと、声は壊れます。学童嗄声といいます。ただ回復力も強いので、治療や指導で直る…

Q.声帯を鍛えるために大きな声を出せばよいでしょうか。

A. 声を出した方がよいのは当然ですが、その出し方によっては喉を痛めることもあります。この辺は、個人差が大きいのですが、大声のトレーニングでうまく習得できていく人と、全くそれが向いていない人がいると思ってください。だから、声帯を鍛えるという…

Q.声のために全身を管理するというのは、難しい気がしますが、どうなのでしょう。

A. 例えば、体のどこかに異常があると、声はその影響を受けてしまいます。頭が痛いとかお腹が痛い、歯が痛いなどのとき、歌うのはもちろん、人と喋るのも影響されます。 ですから、今が健康なのかどうかだけでなく、慢性疾患や、これまでかかった病気につい…

Q.声は、身体にとても負担をかけるのでしょうか。

A. 使い方にもよりますが、声と身体とは密接に関わっています。例えば、手術後や産後、すぐに思い切って歌うなどということは避けるべきでしょう。骨折などで治った後も、注意しましょう。ある意味では、全身を使うのですからスポーツのように考えておいて…

Q.薬を飲んでいますが、声に影響がありますか。

A. 専門的なことであり、個人差があるので、お医者さんにご相談ください。風邪や花粉症の薬などには、喉を乾燥させやすくする成分が入っていることが多いです。

Q.何ヶ月も声を出していないと、声が出なくなるのでしょうか。

A. 身体と同じです。3週間入院していると歩きにくくなるといいます。使わないと筋肉が萎縮するのです。声帯萎縮症になる人も少なくありません。少しずつ声を出していきましょう、それとともに呼吸も衰えていると思うので、呼吸のトレーニングも行うことです…

Q.ヴォイストレーニングの発声は、どこを変えていくのでしょうか。

A. 声が出る仕組みは大きく分けると3つです、身体の箇所でいうと、呼吸器官、発声器官、共鳴器官となります。それに判断する耳です。それぞれをうまく調整したり、補強したりすると考えてみるとよいでしょう。

Q.声の健康管理とはどういうことでしょうか。

A. 呼吸、発声、共鳴、耳、この4つについて、管理していくことになります。呼吸は、空気の通り道です。喉については、食物を取り込む作用もしています。喉は、血管からリンパ管、神経などとても複雑に、いろんなものが通っています。頭と上半身が中心ですが…

Q.どんな人も発声練習をして声を変えなければいけないのでしょうか。

A. 多くの場合は、仕事をしていて声を使えば、その仕事にふさわしいような発声や言葉になっていくものです。ですから、必ずしも特別なトレーニングが必要あるわけではありません。 声そのものによい手本があってそれを目指してまねていくというのは違います…

Q.マスクをしていることで、声によくないと思うのですがどうでしょう。☆

A. 確かに、マスクの材質やマスクのやり方によって、またその人のマスクと接する顔の部分によって微妙にいろんな不都合が想定されます。何よりも呼吸がしにくいのですが、鼻を出して鼻呼吸をするのが望まれます。マスクの中では口の動きが見えないので、表…

Q.発声は、筋肉運動なのですか。

A. 声帯や喉なども筋肉でできていますし、それを共鳴させるような声道や表情筋も筋肉です。そういったものが動かなければ、歌も言葉もうまくしゃべれません。音声学を学ぶと、それぞれの発音がどのぐらい、舌や唇や歯を使うかがわかると思います。 当然のこ…

Q.声域や声量ということについて、いつも自分の声がわかりません。☆☆

A. 私は、トレーニングの前の説明として、ビフォーアフターで、今、無理なく使えている領域、トレーニング次第で、無理なく使えるようになる領域、その後もやはり無理して使う領域と3つに分けています。 声の高さや声量にも限界があります。その限界を広げ…

Q.舞台で、急に大きな声を出したり怒鳴ることが多いです。

A. 大きな声を出したが出せるような状況に、心身を持っておくことです。スポーツでいうと、全身を柔軟に使えるような状況に、整えておいてください。その上で、大きな声について、自分の出力とその効果を分析してみてください。むやみやたらに、大きな声を…

Q.どうも、しぜんに声や言葉が出せていません。☆

A. 声や言葉は、意図的に出すものです。息を吐いてとか吸ってとか指示されて出すときは、普段の呼吸と違います。その上で、それをしぜんに近づけたいのであれば、まずは自分がしぜんな呼吸である状態において、適当な声の高さと音声を選んでみてください。 …

Q.どうやってうまく声にすればよいのでしょうか。☆

A. 多くの人が、無理な高さで無理な発声をしています。声にするとか声をつくるのでなく、息を吐くように、すでに声になっているという状態が理想です。 これは、心身の状態がとてもよいときに、普通の人でも、何度かは経験できることだと思います。あるいは…

Q.硬い声を防ぐためにはどうすればよいでしょうか。

A. 裏声や小さな声で歌ってみるとよいでしょう。ハミングもお勧めです。少ない息で確実に響かせることを覚えましょう。息から声になる効率を最大限にするのです。多くの人にとっては、理想的にコントロールできる柔らかい声にすることは、なかなか難しく、…

Q.踵を上げて発声するように注意されました。なぜでしょう。☆

A. いくつかの理由があると思いますが、このことによって、姿勢や重心が定まったり、上体がリラックスします。骨盤底筋ほかの緊張することによって、発声に有利になることもあります。 つま先に体重をとか、お尻の穴を閉めなさいという注意がありますが、そ…

Q.本当にしぜんな声とはどういうことでしょう。☆☆

A. それぞれに感じることが違うと思うので、私が思うところで述べます。多分、聞いているうちに、声や言葉が気にならなくなるようなことです。最初は、よい声とか魅力的な声とか感じるかもしれませんが、長く聞いていても、疲れない声、声、むしろ、長く聞…

Q.喉頭が上がると、絶対にだめなのでしょうか。☆

A. 絶対ということはありません。人にもよりますし歌い方にもよります。歌のジャンルにもよるでしょう。せりふなどでは、感情を表現が多いので、喉頭が上がっている場合の方が多いでしょう。高い音を出すときに、喉頭が上がって歌っている人の方が普通かも…

Q. 喉頭が上がるとどういうことが起きるのでしょうか。

A. 喉頭が上がるのは、喉頭挙上筋によります。それが緊張します。舌の位置が上がり、共鳴腔が狭くなります。舌や喉にも力が入ります。硬い声、細い声、響かない声、生声、つまりは、喉声といわれる声になりやすいのです。

Q.以前、音大などでは、水を入れたバケツ(今ではダンベルなどになるのでしょうか)を持たせて発声させると聞いたことがあるのですが。☆

A. それは、肩が上がらないような姿勢にすることや重心を下げ、腹腔の内圧を上げて、発声に利用したわけです。オペラ歌手のような声を出すためのトレーニングです。詰まった声になる危険もありますが、使いようによって、こうした練習も、効果があるという…

Q.頑張って発声することは、続けてもよいのでしょうか。☆

A. 頑張って発声することは、理想からは遠いのですが、トレーニングのプロセスで、ある目的のために一時的に行うことまで否定するわけにはいかないでしょう。 発声はわかりにくいので、初心者がいきなりオリンピックの選手レベルのバーベルを上げて怪我をし…

Q.硬い声や過緊張の発声になりやすいのですが、なぜでしょう。

A. ほとんどの場合は、浅い呼吸の人が多いです。つまり胸式優位の呼吸です。胸式呼吸だけでは、発声したときに息をうまくコントロールできなくて、硬い声になりやすいです。首や肩の筋肉が緊張しやすいために、緊張した発声の状態になりやすいのです。やわ…

Q.お腹から、「はい」と大きな声を出すのは、圧迫起声ではないでしょうか。☆

A. これは、いわゆる踏ん張った腹圧で声を急に出すことで、否定的な意味で使っているのですね。閉じた声帯を肺からの吐く息で、つまり下圧で開けて、声を生じさせるのは、発声の原理ですが、その程度の問題ということになります。声帯にぶつけてとか閉じた…

Q.発声は自己流では通用しないのでしょうか。

A. 何を持って通用するというかということになります。自己流で自分で満足でき、周りの人もそれを評価するのであれば、それはそれでよいのだと思います。自己流で学生と言われるのは、本人がどうであれ、周りが見てみると、なんとなく制限されていて本当の…

Q.お酒を飲むと声が出やすくなります。☆

A. アルコールにはリラックスする効果があるので、ストレスが和らげられて心身によい影響をもたらします。ただし飲みすぎると、健康を害し、病気の元になります。 血流も、最初はよくなるのですが、だんだんよくなくなります。全身がだるくなるのはそのため…

Q.よい声を出そうとするとうまく出ません。

A. 結果として出るよい声というのは、自然な状態でリラックスして出ているときが多いのです。ですから、意識して出した時点でうまくいきません。これはスポーツなどの習い始めを考えるとよくわかることだと思います。意識するほどにガチガチになって逆効果…

Q.自然にリラックスするときに出る声が一番よい声なのですか。

A. 普通の人の場合は、一番とは言いませんが、結構、理想に近いと思います。スポーツなどを適当にして、気のおけない仲間と気持ちがほぐれて会話しているときに出すような声が、よりよい声だと思います。だからといって、それが、せりふや歌によいのかとい…

Q. 本物の声とはどういう声でどうやって出すのですか。☆

A. 自然でリラックスして出せばそれが本物の声という人もいます。定義があるわけではないので、思うように考えてもよいかと思います。 ただ私は、人間という身体の中で与えられた機能を最大限に使えるように、鍛錬し調整し、そして選び抜いた声、磨き抜いた…