00.同問異答(20人のヴォイストレーナーと専門家の回答)
A. 肺活量には個人差がありますが、決定的な要因ではないので、気にする必要はありません。肺活量が大きいにこしたことはありませんが、ないよりはあった方がよいといえるくらいです。肺活量が大きい方が有利な点はあっても、そうでないのに活躍しているヴ…
A. 重要なのは、息を吸う量や吐く量ではありません。腹式呼吸と発声に加えて、声たて(いかに効率よく息を声として使うか)の問題です。声を出す原動力は呼気なので、声をコントロールするためには、深い呼吸をマスターしておく必要があります。 たっぷりと…
A. 発声というのは、身体全体で行う運動と捉えましょう。歌は、音楽のなかでも、スポーツや舞踊といった肉体をつかう芸術と類似しています。そこで身体をつかう分野での考え方がうまくあてはまることが多いのです。 過度に緊張したり、ストレスをためたりす…
A.歌ったり、声を出したりしていると、めまいや頭痛がしたり、お腹や腰が痛くなることもあります。無駄な力が入りすぎたり、その状態を続けすぎていることが要因です。 それによって、姿勢が悪くなったり、集中力が落ちたりするのは、よくありません。これ…
A. 今まであまり声を出していなかった人が、これまでの声の使用に加えて、ヴォイストレーニングを始めたら、疲れるのは当然です。ヴォイストレーニングで唯一、やっていけないことは、テンションがない状態で続けることです。勘も鈍って、集中力も欠け、喉…
A. ヴォイストレーニングは、基本を執拗なまでに繰り返す必要があります。ときには単調に感じて、やめたくなるときも出てきます。そういうときに自分に厳しくできる人でなくては、独習は難しいでしょう。この厳しさというのは、ストイックということよりも…
A. 大切なのは、音楽的な基本、ここでは楽理よりは、歌の中の音楽として成立する共通の要素を入れることです。そして、あなたの声を体の原理に基づいたオリジナルなもの]に戻し、使えるようにしていくのです。そのためには、一流の音楽・歌を徹底して聞く…
A. すぐれた人の真似をするのは、あたりまえです。どんな天才であっても、誰かの影響を強く受けてきたのです。しかし、これを手段としたり、さらに目的を混同すると、真似しても害になりかねません。 声は顔と同じように、一人ひとり違います。でもその違い…
A. よくいるタイプをあげておきますので参考にしてください。歌には、[自分の表現を自分の呼吸で声としてとり出すことが基本]です。その[作品はリアリティ(立体感、生命力)に、あふれている]かどうかでしょう。しかし、次のような場合も、状況さえそ…
A. 有名なアーティストに似てるといわれるのは、自尊心をくすぐられ、うれしいものです。[他人のことばは、両刃の剣、あなたの受け止め方しだい]で毒にも薬にもなります。喜んではいけません。歌い回しというのは誰にでもクセがあります。そのクセの部分…
A. というならば、私の思うにカラオケの限界とは、有名な歌い手の摸倣から抜け切らない(オリジナリティ、自分の思いのなさ)、曲(オケ)のメリハリにのせられている(音楽性のなさ)、エコーによって、声がぼやける(声そのものの力のなさ、声の芯、線の…
A. いくら豊かな感情をもっていても、それを声で表せないと、人に伝えることはできません。 まずは、発声の問題です。感情が声にうまく出ないのには、さまざまな理由があります。特に多いのは出そうとしている高さの音での自然な声質(音色)とその響き(フ…
A.音楽はいくら複雑なメロディがついても、一定のテンポとリズムパターンを乱してはなりません。とはいえ、そこで感情を込め、部分的にメロディやリズムをフェイクしてもよいのです。そのズレこそが、個性であり、歌唱の本髄なのです。しかし、テンポの感…
A.「フレージング」とは、曲を演奏する上で、楽譜に書かれている音符と休符の羅列を、どのようなまとまりにして演奏するか、つまり「フレーズ」をどのようにするか、模索し決めることです。「フレーズ」は、なんとなく知っている人も多いと思いますが、音符…
A.歌のリズムと呼吸が合わない、ということは、まず、体がその歌を、感じていないということです。テンポの遅い歌もあれば速い歌もあります。起伏の小さい歌もあれば、起伏の激しい歌もあります。その歌の感じを、体で捉えていれば、声も呼吸も、その歌のリ…
A. ビブラートというのは、声の揺れですが、よい発声・無理のない発声をしていると、発現するのが、自然で美しいビブラートです。 それとは違い、意図的に音を揺らすのが、弦楽器などのビブラートです。声も同じように、意図的に揺らして、美しさや感情をつ…
A. 結論からいうと、どちらも大きく間違ってはいません。低音寄りの、深く大きな声が好きで、そのような声を出せるようになりたい人は、胸も軟口蓋も意識して声を出していると、少しずつ太く立派な声になっていきます。 ただ、ずっとそれだけをトレーニング…
A. 共鳴を増やすには、ハミングの練習が、もっとも簡単で、効果の高い方法でしょう。ハミングは、ご存知のとおり、口を閉じて声を出しますが、このときに、声をなるべく前に出すようにします。口の中や、鼻の中に響かせてはいけません。そうしてしまうと、…
A. 最近は、ウィスパーヴォイスや、ほとんど小声で息も使わずに、語りかけるような歌も氾濫していて、マイクや音声加工に重きを置いている分野が、どんどん広がっているようです。そのような曲を、好んで視聴していると、そのような声の使い方が、身につい…
A. うすっぺらい声は、あまり声帯に負担をかけず、楽に声を使っていると、どんどん喉が弱くなり、強い声が出せなくなってしまった結果だと、思われます。昔から、「喉に力を入れないように」と、よくいわれます。実際に私も、高校の合唱部に何の因果か入部…
A. 多くの歌は、1オクターブ半以内なので、キーにこだわらなければ、大丈夫なのではと思いますが、まれに声域が1オクターブ足らずの人も見受けられます。そのような人は、なかなかよい声を出します。アマチュアコーラスを楽しむ人にも、よく見受けられます…
A. 高音だから消されるのか、バンドの音が大きいから消されるのか、どちらなのでしょうか。バンドの音量には関係なく、高音だけ消されるなら、消されない中低音域の声のような響きで、高音を出せばよいということです。ここで間違えてはいけないのは、中低…
A.まず、お手本となる声を、繰り返しよく聞いて、憶えることです。お手本がなければ、修正していくことができないからです。お手本は、ご自分が目指すジャンルの、目標としたい声でよいでしょう。日常的に何度も聞いて、その声のすべてを憶えるつもりで取り…
A. 日本語で歌うのが苦手で、日本語以外なら平気ということならば、問題の解決は、それほど難しくはありません。まず、日本語の歌詞を、日常生活で使っている日本語として捉えてしまうところから、その弊害が始まります。意味のよくわからない呪文だと思い…
A.まず、声が前に出ていないと、ことばはわかりにくくなります。深い声、充実した声、立派な声、大きな声を目指していると、その成果に気を取られて、いつの間にか、深く大きな立派な声なのに、ことばはよくわからないということが起こります。 オペラなど…
A. 同時に音を出せないことで、対面レッスンよりも時間がかかるようなときもあります。また、声の大きさの判断、声質の微妙な判断は、出した声がカットされるときがあります。大きな声は、ノイズ音になることが多く、小さな声は、音量拡大されて聞こえます…
A. まず、声を出すのに必要な体の部分を、整えていきます。整えるというのは、弱ければ強化し、硬ければほぐし、動きが悪ければ、動きやすくしていくということです。具体的には、呼吸に関係する肩・胸・お腹周りの筋肉の、ほどよい強化とストレッチ。また…
A. 自分が聞き慣れている自分の声は、実際にまわりの人が聞いている自分の声とは違い、自分の身体の中を伝わって自分の耳に届く声もプラスされています。録音機器などで自分の声を聞くと、その部分が欠落しているので、違和感をおぼえます。他人の声を録音…
A.「よい声」には、二段階、または二種類あると考えています。まず、健康的に、「よい声」。もう一つは、歌声、話し声としての、「よい声」です。 健康的な「よい声」は、声帯や喉回り、呼吸器とその回りの筋肉群に、異常や萎縮がなく、楽に、大きな声も小…
A.高校時代、ふとした間違いから男声合唱部に入った私は、毎日100回、腹筋運動を、先輩たちからノルマとして課されました。高校一年生だったおかげか、中学では文化部に所属していたにもかかわらず、あっという間にクリアできるようになったのを憶えていま…