発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

28.福島英

Q.先生は、独自のやり方で、行ってきたのではないのでしょうか。

A. 私も相手によっては、自信を持たせるために、言葉では、いろいろと確信的にいうことがあります。しかし、必ず、自分のやり方に疑問を持ち続け、新しいやり方や他の人のやり方を学び続けています。今もキャリアある声楽家や邦楽家と共に行い、自分だけが…

Q.先生の話し方は変わりましたか。

A. 講演とかレクチャーについて述べると、昔は今の3倍ほど早かったと思います。この分野については、あまり知られていなかったので、たくさんの情報を与えなくてはならないと思っていたからです。声そのものを聞かせるために、結構、パワフルだったかもしれ…

Q.芸事を成就させるための師を選ぶには、どうすればよいですか。

A.人を見る、選ぶのは、自分の責任です。自分の自由勝手でも、結果として親や先生や社会が壁となるのは、未熟なときの特権です。肚がなくては、物事は成しえません。

Q.一番学べた人は、どんな人ですか。

A.私が次に何とコメントするかが、「すべてわかった」と言う人がいます。何を学べたというかにもよりますが、大したものです。

Q.スタンスとは何ですか。

A.スタンスというのは、立ち位置のことです。いろんな意味で使っています。姿勢、呼吸、発声でも、立ち位置としての軸があります。心にもあれば、表現にもあります。狙い、存在意味、存在理由など…。

Q.最終的な基準は何ですか。[E:#x2606]

A.私の論では、ただの一声に集約されるのです。「ハイ」とか「ララ」「ハイララ」で声が伝わらなければ、歌もせりふも伝わらないということくらいです。とても簡単なのに、受け入れてもらいにくいですが…。声の使い方でなく、声そのもの、器の違いというもの…

Q.鍛錬ということばをよく使われていますが、どうしてですか。[E:#x2606]

A.強いたり力の入るニュアンスもあり、あまり使いたくないことばです。でも、それだからこそ心身の必要をはっきりとさせるために、わざと使っています。 「朝鍛夕錬」は、宮本武蔵のことばです。五輪書「水の巻」に有名なことば「千日の稽古を鍛とし、万日の…

Q.ヴォイトレを学んだのは、なぜですか。

A.それで何かができるということよりも、声やヴォイトレの限界を知ること、ひいては、自分の限界を知るためでした。そのことで、自らの可能性や才能の勝負どころもわかるし、自分の本当に好きなこともやりたいこともみえてくる、近づける。それが大切だと思…

Q.活かすべきは、自分の力、それとも他人の力ですか。[E:#x2606]

A.自分の力と言いたいところですが、自分の力だけで、それなりの物事を成し遂げることはありません。他人の歌を全く聞かずに歌えるようになった人はいません。 しかし、他力本願で自分の努力を怠っていては他の人も認めてくれないでしょう。今あるものを目一…

Q.先生のメニュすべてを学べますか。どのくらいの期間がかかりますか。

A.私の知っていること、できること、全てを学びたいという人もいます。しかし、私が示せるのは、自分の使っている声のところで、そのプロセスとても、同じ年月を経ないと、いや、経たとしても伝わるとは限りません。すべてが伝わる必要もないし、同じ年月を…

Q.なぜ、歌に惹かれたのですか。

A.歌い手は、いつの時代でも預言者です。私には、画家やデザイナーよりも、音やことばを扱う音楽家、歌手、詩人は、その先を行くように思えました。売れなくてはいけないというなかでは半歩先に止まり、つまり、わかりやすくなった分、よくなくなりました。 …

Q.このQ&Aや先生の活動は、言論を通じての、ヴォイトレの普及ですか。

A.それは、およそ済んだと思っています。ヴォイトレもヴォイストレーニングも一般の人の知ることばとなりました。これらを説得する努力はしてきたつもりですが、「全てが説明できる」とは思っていません。すべての人に、でなく、すべてのことが、です。 でも…

Q.本は完成品ですか。

A.本は、買われたときから、その人にとってどうかということです。本は、原稿の締切り、最終校正の締切り時点で、私の考えは切り取られます。内容が完結するのは、本が刷り上がったり店に置かれる日、読者が手に入れた日ではありません。著者にとっては直し…

Q.本当に正しいやり方を知りたいです。

A.本質的なことは、言ってもそう簡単に伝わらないけれど、何回もくりかえしていると、感じられるようになります。しかし、接していなければ、避けていては、せっかくのチャンスも活かせません。 誰もが続けていくと固まってくるので、ここでは私がそれをかき…

Q.声で知ることができるものとは、何でしょうか。[E:#x2606][E:#x2606][E:#x2606]

A.科学的とか客観的とか言わずに、天から自分も含めて観ることは大切です。私たちは思い込みや固定観念の塊です。常に、自分の五感で、事実さえ自分の思いで色付けしてみています。それが判断を誤る原因です。 でも、誤っていることにさえ気づかないのです。…

Q.呼吸と人生との関わりとは。

A.出る息、吸う息、その一つの呼吸の間に生きるということ、命があるわけです。そこを大事にしなくてどうするのでしょうか。曹洞禅の根本道場、永平寺を訪ねたことがあります。なかなかに活気のある寺でした。

Q.心技体、ヴォイトレではどれが中心ですか。

A.狭義には、どんなトレーニングも技の習得のメニュを組んでいます。それを心と体が支えています。体の強化、量が質になったところからが技です。それを支えるのが心です。 一流になると心が全てです。相手が誰であっても、自分の力が100%出れば、よい結果が…

Q.発声では、声の他にどこをみますか。[E:#x2606]

A.呼吸、筋反応、歩行、姿勢、表情(特に眼)対人折衝能力などでしょうか。

Q.声について述べられたものに関心はないのですか。

A.読むよりも、話したり伝えることの仕事なので、できるだけ、すべてに目を通していますが、優先はしていません。とはいえ、自分で完成させてしまい、同じところをくるくる回らないように、自分と相手のために誰よりも語り、答え、残してきました。 記したも…

Q.芸事に、アカウンタビリティ、説明責任は必要ですか。

A.多くの場合は、責任逃れ、つまり、説明した上で合意した上で、なのだから責任はとらない、賠償はしないということに使われているのです。大事に無事にという願望に対して保証をしているのではありません。芸事はコンプライアンスとして、説明できるもので…

Q.騙されたくないのですが。[E:#x2606][E:#x2606]

A.信じるのは、騙されるということです。唯一絶対と言うなら、他をすべて知った上で、しっかりと判断すべきことですが、すべてを知ることはできません。他の人に聞いたところで同じでしょう。 信頼できる人=信じられる人=騙す人、何でもありです。健康食品…

Q.レッスンでのことばが、わかりにくいです。

A.レッスンのなかでのことばゆえに、わかりにくいものもあるのですが、わかりやすい言葉にして空回り、テキストのメニュの音読のようなものになりかねません。二者の間で声やことばが変じるのです。そこにレッスンの活きた何か(ことばだけでなく表現や所作…

Q.よく述べておられる、次元のことを教えてください。

A.4次元、5次元…11次元のような話は、専門書をお読みください。レッスンのなかでレッスンが消えてしまうのが、トレーナーもスタジオも消えてしまうのが、上の次元です。声も消えてしまうとすると、二つ上かも。どうせ一つ上さえみえないから、どう考えてもよ…

Q.両立できない問題の2つの要素を詰めて導く解決法は、よく使うのですか。[E:#x2606]

拙書からの質問ですね。Q&A集に原則的な解決の一つとして上げた例では、「高い声で大きく出せない」「大きな声で高く出せない」のようなことですね。ある問題が起きたときにもう一つ、別の軸の要素をみつけて組み合わせてみるのは、よく使います。その間を…

Q.歌ったり朗読したりしないのですか。

A.そこは、そのプロの仕事です。私は、何でもやろうと努めていますが、なんでもできるわけではありません。ここに来ている、その道何十年の人たちを前に、そんなことはしません。私にとっては、歌や朗読よりヴォイトレの方が深いのです。 私は、今のプロの…

Q.不調になることはないのですか。

A.声だけをみると不調だらけです。未だに完成、実現とは程遠い、未熟です。しかし、声だけで生きているのでないから、そのときは、どこかで何か別の事でも調子がよければよいと、あまり気にしません。私自身は、声で競うところにいないのです。他人の声を…

Q.何に興味があるのですか。

A.人にとって声は何なのかということです。声によって人生は、人はどう変わるのか。声から宇宙や人類、人間の存在理由を知ること。声の共鳴、共振、共感、共時性。声と宗教、芸術、生活、社会など神羅万象に至ります。

Q.正しい姿勢とは一つですか。先生の本にチェックリストがありましたが、絶対なのですか。[E:#x2606]

A.姿勢のリストは、結果的には、フォームです。身についていくとそうなる、そう感じる人が多いという目安です。身につけていくことがトレーニングのプロセスというのは、時間の経過によって変わるのです。どう使うのかという実践での動きを入れると、正し…

Q.数多くの質問への答えは、どうしているのですか。[E:#x2606][E:#x2606]

A.レッスンの現場では、いつもさまざまなことが起きます。それ以外に、私は他のトレーナーの報告や、生徒のレポートも目を通し、打ち合わせやカウンセリングでこたえています。そこで出てきた質問やカウンセリング内容やレポートを、研究所では、トレーナ…

Q.究極の発声について、知りたいのですが。

A.ここへ質問というのは、最終的なレベルのことでしょうか。ということならば、私の思う発声が身につくとは、発声を教えている人の多くでさえ、まだ身についていないレベルのことです。 体で覚える、身につくという点では、私もまだまだ追い求めています。…